■サンワテクノス<8137>の業績の動向
3. 2021年3月期の業績見通し
2021年3月期については、新型コロナウイルス感染拡大が企業の設備投資動向にどの程度影響を及ぼすのか不透明であり、現時点で適正かつ合理的な予測を立てることが困難なことから、通期見通しについては未定とし、第2四半期累計のみ発表した。具体的には、売上高で前年同期比3.5%増の70,000百万円、営業利益で同17.6%減の750百万円、経常利益で同22.8%減の800百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同27.5%減の500百万円としている。
半期ベースで見れば売上高は前下期と同水準を見込んでいることになる。前述したとおり、年明け時点では回復トレンドが続くと見ていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で設備投資に慎重となる企業が増えたこと、また、自動車の生産台数落ち込みにより車載用電子部品の売上が一旦、減少に転じる公算が大きくなるなど、マイナス要因が出てきたためだ。とはいえ、悪い話ばかりでもない。5Gやデータセンター向けの半導体需要が伸びていることに加えて、パソコンの需要がテレワークの普及で拡大しており、最先端の半導体を増産するための設備投資は回復トレンドにある。実際、半導体製造装置メーカーからの受注は4月に入ってからも想定以上に堅調に推移しているようだ。また、低迷していた中国からの受注も4月は過去2番目の水準まで急回復した。太陽電池メーカーからの発注が動き始めたようだ。中国を始め欧米でもロックダウンが段階的に解除され、製造業の生産活動も徐々に再開する動きが出始めている。第2四半期までの売上についてはほぼ見えている状況にあり、前下期並みの売上水準は維持できる見通しだ。下期の見通しについてはまだ不透明だが、半導体業界の設備投資は堅調が続き、産業用ロボットについても省人化対策として動き始める可能性がある。
一方、営業利益の減益要因については特段の費用増を見込んでいるわけではなく、市場環境が不透明ななかで保守的に見積もったものと考えられる。実際、前期業績についても会社計画に対して売上高は若干下回ったものの、営業利益は上回って着地した。売上総利益率も自動車(車載)業界向けの構成比低下により改善する可能性が高く、売上高が計画どおり達成すれば、利益面では若干の上乗せ余地があると弊社では見ている。
リスク要因としては、中国や欧米市場で再度、新型コロナウイルスの感染が拡大して企業の生産活動が停止する状況になること、米中貿易摩擦の再燃による中国製造業へのダメージが深刻化することの2点が挙げられる。特に、後者については5月15日に米国政府が、通信機器大手のファーウェイに対する新たな輸出禁止措置を発表※し、これに対して中国政府も対抗措置を検討することを表明するなど予断を許さない状況となっており、その動向には注意する必要がある。なお、前提となる為替レートは110円/ドルとなっている。
※米政府は2019年5月にファーウェイや関連企業に対して半導体などの電子部品の輸出禁止を発表していた。今回は外国製の半導体であっても、米国の技術を基にした製造装置を使った製品についての供給も禁じる内容となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
3. 2021年3月期の業績見通し
2021年3月期については、新型コロナウイルス感染拡大が企業の設備投資動向にどの程度影響を及ぼすのか不透明であり、現時点で適正かつ合理的な予測を立てることが困難なことから、通期見通しについては未定とし、第2四半期累計のみ発表した。具体的には、売上高で前年同期比3.5%増の70,000百万円、営業利益で同17.6%減の750百万円、経常利益で同22.8%減の800百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同27.5%減の500百万円としている。
半期ベースで見れば売上高は前下期と同水準を見込んでいることになる。前述したとおり、年明け時点では回復トレンドが続くと見ていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で設備投資に慎重となる企業が増えたこと、また、自動車の生産台数落ち込みにより車載用電子部品の売上が一旦、減少に転じる公算が大きくなるなど、マイナス要因が出てきたためだ。とはいえ、悪い話ばかりでもない。5Gやデータセンター向けの半導体需要が伸びていることに加えて、パソコンの需要がテレワークの普及で拡大しており、最先端の半導体を増産するための設備投資は回復トレンドにある。実際、半導体製造装置メーカーからの受注は4月に入ってからも想定以上に堅調に推移しているようだ。また、低迷していた中国からの受注も4月は過去2番目の水準まで急回復した。太陽電池メーカーからの発注が動き始めたようだ。中国を始め欧米でもロックダウンが段階的に解除され、製造業の生産活動も徐々に再開する動きが出始めている。第2四半期までの売上についてはほぼ見えている状況にあり、前下期並みの売上水準は維持できる見通しだ。下期の見通しについてはまだ不透明だが、半導体業界の設備投資は堅調が続き、産業用ロボットについても省人化対策として動き始める可能性がある。
一方、営業利益の減益要因については特段の費用増を見込んでいるわけではなく、市場環境が不透明ななかで保守的に見積もったものと考えられる。実際、前期業績についても会社計画に対して売上高は若干下回ったものの、営業利益は上回って着地した。売上総利益率も自動車(車載)業界向けの構成比低下により改善する可能性が高く、売上高が計画どおり達成すれば、利益面では若干の上乗せ余地があると弊社では見ている。
リスク要因としては、中国や欧米市場で再度、新型コロナウイルスの感染が拡大して企業の生産活動が停止する状況になること、米中貿易摩擦の再燃による中国製造業へのダメージが深刻化することの2点が挙げられる。特に、後者については5月15日に米国政府が、通信機器大手のファーウェイに対する新たな輸出禁止措置を発表※し、これに対して中国政府も対抗措置を検討することを表明するなど予断を許さない状況となっており、その動向には注意する必要がある。なお、前提となる為替レートは110円/ドルとなっている。
※米政府は2019年5月にファーウェイや関連企業に対して半導体などの電子部品の輸出禁止を発表していた。今回は外国製の半導体であっても、米国の技術を基にした製造装置を使った製品についての供給も禁じる内容となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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