本日は「膠着」がより顕著になる可能性・・・!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2020/06/16 10:26

◆ センチメントは反転も、ドル円は動かず…


「新型コロナ感染第2波」への警戒感もあり、昨日は“リスク回避姿勢”が優勢でした。
日経平均は“急落(770円超)”、その後の欧州・米国市場にも波及しましたが、『米社債買い入れを開始』とFRBが発表したことを機に、センチメントは反転(リスク回避→リスク選好)しました。
NYダウは“続伸(+157ドル)”、米10年債利回りも“上昇(0.62%→0.72%)”する中、クロス円通貨は“軒並み上昇”へと転じました。
一方で「ドルと円の綱引き(昨日はドル売り⇔円売り)」に回帰した感のあるドル円は、“方向感不在(107円前半で膠着)”を強いられています。

◆ 「日銀会合」「パウエル証言」は波乱要因も抱えているが…?


本日は数多くの経済指標が予定されていますが、注目されるのは「日銀金融政策決定会合」と「パウエルFRB議長の議会証言」と見られます。

前者(日銀)に関しては「無風通過」が想定されますが、一部の海外勢は「追加緩和」を期待し、すでに「円売りポジションも構築」との話も漏れ聞こえてきます。
状況次第ではありますが、“波乱”となり得るだけに注意しておきたいところです。

また後者(パウエル証言)に関しては、会見を行ったばかり(先週のFOMC後に)という状況ですので「新たな材料は期待薄」と見るのが自然です。
しかし検討を継続するとした「イールドカーブ・コントロール」が質疑応答で追及される可能性があるため、回答次第では「センチメントが揺れ動く」といった可能性も否めませんので注意が必要です。

ただし前者が「無風通過」となれば、後者までは「様子見ムード」に陥りかねないという事情も抱えています。
「丁寧な買い拾い」との見方は変わりませんが、本日に関しては「神経質な揺れ動き(膠着)」がより顕著になる展開を想定すべきかもしれませんね。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:108.154(100日移動平均線、日足・一目均衡表転換線/基準線、50/20週移動平均線、6/5~6/11の50%戻し、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:107.946(週足・一目均衡表先行スパン下限/転換線、大台)
上値3:107.870(6/10高値、20日移動平均線、月足・一目均衡表基準線、6/5~6/11の38.2%戻し、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:107.562(6/15高値、50日移動平均線、ピボット1stレジスタンス)
上値1:107.489(6/15NYタイム高値)
前営業日終値:107.349
下値1:107.251(日足・一目均衡表先行スパン上限)
下値2:107.170(-1σ)
下値3:107.001(6/15安値、大台、6/11~6/12の61.8%押し水準、ピボット1stサポート)
下値4:106.697(週足・一目均衡表基準線、月足・一目均衡表転換線、ピボット2ndサポート)
下値5:106.566(5/11安値、6/11-12安値)

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想