JBR Research Memo(1):2020年9月期は減収減益見通しも、保険商品の開発等で成長期待は大きい

配信元:フィスコ
投稿:2020/06/12 16:41
■要約

ジャパンベストレスキューシステム<2453>は、「困っている人を助ける!」を経営理念に1997年に設立された「総合生活トラブル解決サービス」カンパニー。住宅のカギや水まわりのトラブルなど日常生活の困りごとを解決するサービスを全国2,000店超のパートナー・ネットワーク店を通じて会員・非会員向けに提供している。子会社で保険事業や住設機器・家電製品等の修理サポートサービスも展開している。

1. 2020年9月期第2四半期累計業績の概要
2020年9月期第2四半期累計(2019年10月-2020年3月)の連結業績は、売上高で前年同期比1.9%減の5,996百万円、営業利益で同11.9%減の650百万円となった。売上高については2019年5月に不採算サービス(dリビング)を終了したことで減収となったものの、「安心入居サポート」や「安心修理サポート」等の主力会員サービスや家財保険の契約件数は順調に積み上がっている。利益面では、新規事業となるライフテック事業(不動産賃貸入居者向け電力販売)における先行コストの発生が主な減益要因となった。

2. 2020年9月期業績見通し
同社では新型コロナウイルスの影響が期末まで続くことを前提として、2020年9月期の連結業績の修正を発表した。売上高は前期比4.3%減の11,500百万円、営業利益は同26.7%減の1,200百万円とそれぞれ期初計画(売上高13,500百万円、営業利益2,000百万円)を引き下げている。3月以降、新規提携案件の進捗が遅延しているほか、駆けつけサービスの受注減、引っ越し需要の減少による電力契約の獲得ペース鈍化などを保守的に織り込んだ。新たに販売開始している会員サービスについては計画に含めておらず、今後の動向次第では上振れ要因となる可能性がある。

3. 提携戦略と新サービスの動向
2020年以降、開始した会員サービスのなかで特に注目されるのが、6月からスタートした終活サポートアプリ「あすかも」となる。高齢化社会と核家族化が進むなかで、高齢者の見守りだけでなく生活トラブルに関わる駆けつけサービスなども組み込んだサービスで、スマートフォンアプリで手軽に利用できるのが特徴だ。今後、全国に2,400万人以上の会員がいるとされる各地域の互助会を通じて販売拡大を目指していく。また、賃貸不動産オーナー向けに、家賃減額保証と住宅設備の延長保証を組み合わせたサービス「Asset Warranty(アセット ワランティ)」を6月から販売開始している。2020年4月の民法改正によって、賃借人の責任でない設備等の故障、使用制限等が発生した場合に、家賃の減額リスクが発生することになり、こうしたリスクに備えるためのサービスとなる。あいおいニッセイ同和損害保険(株)と共同で開発し、提携先の不動産会社を通じて販売していく。そのほかにも今後、提携戦略による新たな会員サービスや保険商品の開発・販売を予定しており、ストック型ビジネスの積み上げによって業績は中期的に安定成長が続くものと弊社では予想している。

4. 株主還元策
株主還元方針としては、安定的配当を継続することを基本に連結配当性向で30%以上を目標としている。2020年9月期の1株当たり配当金は業績の下方修正を行ったものの、前期比1.0円増配の16.0円(配当性向84.7%)と6期連続増配を維持する予定だ。また、株主優待制度についても、毎年3月末の株主を対象にキッザニア(子供向けの職業体験型テーマパーク)の優待券を1枚(最大19名まで利用可)贈呈している。

■Key Points
・2020年9月期は新型コロナの影響が期末まで続くと見て保守的に修正
・会員事業で高齢者向けサービスや民法改正に対応したサービスなどの新たなサービスを提供開始
・中期経営計画の数値目標については見直しを検討中だが、保険事業における新商品開発に注目

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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配信元: フィスコ

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