NY株式市場(11日)ダウ平均は2万6300ドル割れ試す–アメリカ経済のV字回復期待が後退
11日のニューヨーク株式市場でダウ平均は急続落して取引が始まりそうだ。
前日に行なわれたFOMCではFRBによるゼロ金利政策などの金融緩和策が2022年末まで長期化することが示唆された。経済見通しでは雇用環境がコロナ前に回復するのは2023年以降になるとの慎重な姿勢を示した。
11日のアメリカ株式市場ではロックダウン解除で経済活動の再開が徐々に広がりつつあるアメリカ経済が早期に回復するとの期待感は一旦後退するものとみている。
FRBはナスダック総合株価指数が再び史上最高値を更新するまで株式市場に広がっていた景気の先行きに対する楽観論を一蹴したように思える。アメリカ経済の回復には時間が掛かるとのメッセージを強く打ち出した格好だ。アメリカ経済の回復を見極めるにはエビデンスを積み上げていくしかないようだ。
アメリカ株式市場では、雇用統計やFOMCなどビックイベントを通過したことから、改めて全土に広がった抗議デモの影響で新型コロナウイルスの感染再拡大への警戒感も広がりやすい。抗議デモが本格化したタイミングからコロナ感染の潜伏期間を経た発症例を確認するタイミングにある。改めて日々公表される新規感染者数の推移をチェックすることになる。
ダウ平均先物は時間外取引で一時2万6200ドル割れとなる場面が見られた。11日の通常取引でダウ平均は先物価格にさや寄せして取引が始まりそうだ。取引時間中には200日移動平均線(2万6322ドル)を試す局面がみられよう。11日はFOMCの結果判明に対するセカンドリアクションが売りで反映されることになる。直近の株価上昇の反動で改めて売り直す動きも加わって相場全体、軟調な展開となりそうだ。
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