そして“膠着”に逆戻り…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2020/05/01 10:33

◆ “巻き戻し”が優勢 - 107円回復

「月末要因(ポートフォリオ調整→ドル売り)」が剥落した昨日は、やはり“巻き戻し”が優勢となりました。
「米10年国債利回りの上昇(0.58%→0.64%)」が寄与する中、「ロンドン・フィキシングでの円売り(特に対ユーロで)」も後を押した印象もあります。
こうしてドル円はNYタイム中盤に“107円ライン”を回復すると、同終盤には“107.502円”へと持ち直しています。

一方で「ピークアウト→経済活動再開」への思惑は根強いものがあり、“さらに上値追い”といった展開には発展しておりません。
その後は“上値の重さ”から幾分値を削っており、本稿執筆時には“107.20-30円”水準で膠着しています。

◆ 「スケジュール感」「オーダー状況」を鑑みれば…?

昨日の動き(円売り)も「月末要因」と見られるため、一昨日(ドル売り)と同様に“こちらも剥落する”と見るのが自然です。
一方で本日は「欧州・中国・香港島が休場(メーデー)」、明日からは「日本も大型連休入り」というスケジュール感ですので、“流動性の低下”は否めません。
「月末要因」が剥落し、「積極的なポジション形成」も取りづらいとあっては、“動意が乏しい”は想定せざるを得ない…?

“107.50円超”には「ドル売りオーダー」が段階的に並んでおり、“107.00-106.80円”には「分厚いドル買いオーダー」が散見されるオーダー状況を鑑みると、本日は「同レンジ内での小動き」を想定するべきかもしれません。
流動性低下時における“もう一つの特徴”である「些細な要因で大きく動く」に、細心の注意を図りながら…。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:107.868(4/6~4/29の50%戻し、月足・一目均衡表基準線)
上値4:107.755(4/24高値、日足・一目均衡表先行スパン上限、20日移動平均線、週足・一目均衡表先行スパン下限)
上値3:107.621(4/27高値、ピボット1stレジスタンス)
上値2:107.502(4/30高値、4/6~4/29の38.2%戻し水準)
上値1:107.317(4/30高値後の61.8%戻し)
前営業日終値:107.155(日足・一目均衡表転換線)
下値1:107.064(4/29~4/30の38.2%押し、-1σ、大台)
下値2:106.929(4/29~4/30の50%押し)
下値3:106.794(4/29~4/30の61.8%押し)
下値4:106.697(日足・一目均衡表先行スパン下限、週足・一目均衡表基準線、月足・一目均衡表転換線)
下値5:106.405(4/30安値、週足・一目均衡表転換線、-2σ)

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想