米ドル/円、もう一段の下押しとなるか

著者:津田隆光
投稿:2020/03/27 10:24

米ドル/円、日足チャートの重要線を下抜け

米ドル/円・日足・複合チャート
【注目ポイント】ローソク足の対先行2スパン(≒108.600円)下抜け成否
【見通し1】サポートなら、「下値固め」→「反発フロー」も
【見通し2】下抜けブレークなら、「107.750円」までorもう一段の下押しも

米ドル/円における喫緊のポイントとして着目していた「ローソク足の対BB(ボリンジャーバンド)・+1σライン(≒110.000円)サポート成否」ですが、26日の終値時点で同ラインを下抜けブレークしています。(別図黄色四角印)

次なる下値メドとなり得るメルクマールは、約1カ月における市場参加者の平均コストを示す21日MA(移動平均線)を基準とする「107.750円」。当該レートまでの下押しフローが発生するトリガーを探るために、チャートのタイムフレームを4時間足に替えて確認してみましょう。

4時間足チャートに要注目!

米ドル/円・4時間足・複合チャート
別図チャートでは、1) 21MAがやや右肩下がりとなっていること、2) 遅行スパンがローソク足を下抜けする“逆転”が示現しつつある(別図黄色丸印)こと、3) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の上方で点灯していること、4) BB・±2σラインが21MAに対して拡張する“エクスパンション”となっていること、そして、5) DMI(方向性指数)で-DI>+DIとなり、ADXが右肩上がり推移となっている(別図青色点線丸印)ことから、米ドル/円・4時間足チャートでは、下降トレンド序盤を示唆するチャート形状となっていることが視認できます。

足もとにおける注目ポイントは、ローソク足が下値サポート帯として機能する青色の雲の下辺である先行2スパン(≒108.600円、別図黄色矢印)でサポートされるか否か。

これからの時間にかけて、ローソク足が同スパンでサポートされた場合は、下値固めの時間帯を経た後に、反発フローとなる可能性も。

一方で、ローソク足が終値ベースで同スパンを下抜けブレークした場合は、「下値サポートライン割れ」→「下降モメンタムの強まり」のトリガーとなり得そう。

その場合は、「遅行スパンのさらなる下放れ」とともに、「-DI>+DIの乖離拡大およびADXの上昇」を伴いつつ、前述した21日MAを基準とする「107.750円」付近まで、ないしはもう一段の下押しとなる可能性も視野に入れるべきでしょう。
津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想