感染拡大でドル安が強まり、ドル円は110円割れをうかがう展開=NY為替前半

著者:MINKABU PRESS
投稿:2020/02/26 03:02
 きょうのNY為替市場はドル売りが強まっており、ドル円は110円割れをうかがう展開が見られている。この日発表になった米消費者信頼感指数が予想を下回ったことをきっかけに、再びドル売りを強めている。米国債利回りも下げ幅を拡大しており、前日急落した米株も反発して始まったものの上値が重く、下げ足を早めていることから、前日同様にドル売りの反応になっている模様。

 米国市場は株式を中心に新型ウイルスの米経済への影響を過小評価していた面も見られていた。しかし、感染拡大が依然として収束を見せず、世界各国に拡大する中、米経済への影響を改めて意識しているのかもしれない。それに伴い、市場ではFRBによる早期利下げ期待が浮上しており、為替市場はドル売りを強めているものと思われる。もともとドルのバリュエーションの高さは不安材料となっていた。

 ドル円は110円割れを試す動きが見られている。心理的節目の110円をブレイクするようであれば、先週の大幅高からの失望は大きい。

 一方、ドル安が強まる中、ユーロドルは買い戻しが出ている。新型ウイルス感染はイタリアやスイスなど欧州にも拡大しており、ユーロには何も良いニュースはないが、これまで中国経済の減速によるユーロ圏経済への影響を警戒して、ユーロは先行して売られていた。今度はドルにその流れが移る中、ユーロの対ドルでの見直し買いに繋がっているのかもしれない。ユーロドルは1.08ドル台後半まで上昇しているが、1.09ドル台の回復と、21日線が控える1.0920ドル付近が目先は意識される。

 ポンドに買い戻しが出ており、ポンドドルは1.30ドル台を回復。12月の総選挙以来発表の英経済指標は改善を見せており、3月11日に公表予定の英予算案での財政拡大策への期待もあることから、ユーロよりも買いを入れ易い模様。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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