NYコラム(24日)世界的な株安が加速へ−ダウ平均先物は一時800ドル超安

著者:加藤裕一
投稿:2020/02/24 20:42

NY株式市場(24日)ダウ平均は売り先行スタート−短期的な調整局面入りか⁈

週末には新型肺炎の感染が、中国・日本に加えて韓国、イタリアなどで拡大したことから、24日のアメリカ株式市場ではリスク回避の動きが一段と加速しそうだ。韓国やイタリアでも感染経路が追えない「市中感染」の広がりに警戒感が広がっている。イタリアでは新型肺炎の患者が急増した自治体を封鎖する事態となった。

ダウ平均先物は週明けのアジア時間からヨーロッパ時間に一時800ドル超の下落となる場面がみられている。韓国総合株価指数は3.8%安、3連休中の日本株では、シンガポールで取引されている日経平均先物の下落幅が一時1000円を超える場面があった。週明けのヨーロッパ株は軒並み安となり、世界的な株安の流れに拍車が掛かっている。

24日のダウ平均は売り先行で取引がスタートしたあと、75日移動平均線(2万8470ドル)や日足ベースで一目均衡表上の雲の抵抗帯の上限=基準線を割り込み、いわゆる「雲入り」する動きが見られるだろう。雲の抵抗帯の下限=先行スパン2は2万8022ドルに位置している。三役逆転を試しにいく展開だ。1月末に新型肺炎の影響を折り込みいった値幅調整時と同様に2度目の短期的なCollection=調整局面入りとなる。

週末にはサウジアラビアの首都・リヤドでG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれた。会議では、デジタル課税の原案が承認されたことも、IT・ハイテク関連株への警戒感につながりそうだ。

アメリカ市場で本格的な調整局面入りを回避するには、トランプ政権やFEDのレスポンス、米長期金利の下げ止まりが求められる局面となる。
加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想