■業績動向
1. 2019年9月期通期の業績
イー・ガーディアン<6050>の2019年9月期通期の連結業績は、売上高が前期比10.7%増の6,535百万円、営業利益が同12.4%増の1,167百万円、経常利益が同14.5%増の1,201百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同14.2%増の840百万円と5年連続の2ケタ成長を達成した。
売上面では、主力3業務が伸長したが、なかでもソーシャルサポート業務の伸びがけん引した。特にキャッシュレス決済業者向けの加盟店審査代行、登録申請サポート、取引状況の監視・運用サポートなどで同社が仮想通貨の運用で培ってきたノウハウが発揮され、売上を伸ばした。ゲームサポート業務では中国や韓国をはじめとする海外ゲーム会社向けの売上が増加し、国内ゲーム企業向けの売上高の伸び悩みを補い増収。アド・プロセス業務では広告業界の人手不足から広告運用代行の売上が増加した。
利益面では、営業利益の前期比で12.4%増と高成長を維持する中、売上高営業利益率でも17.9%と高い収益性も維持した。2019年1月の本社移転(新本社は港区虎ノ門)の一時的な費用負担もあったが増収効果で吸収した。今期に入っては新センターの開設がなかった中で、全国およびフィリピンのセンターの稼働率が上がったことが利益率の向上に貢献した。
2020年9月期通期も2ケタ増収と利益微増を予想。サイバーセキュリティ領域に先行投資を実施
2. 2020年9月期通期の業績予想
2020年9月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比13.2%増の7,400百万円、営業利益が同2.9%増の1,201百万円、経常利益が同1.6%増の1,221百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.2%増の850百万円と引き続き2ケタの増収および着実な増益を予想する。
同社の事業を取り巻く市場環境は全体として良好だ。ソーシャルサポート事業においてはECやFinTechの進展が追い風になっている。ゲーム業界は国内ゲーム市場が踊り場を迎えていたが、足元持ち直しの傾向にあり、進行期は期待できる。海外のゲーム市場(特にアジア)および海外ゲーム会社はポテンシャルが大きく、アプローチを更に強化する。同社のフィリピンの拠点はさらに大きな役割を果たしそうだ。インターネット広告市場(アド・プロセス事業)も継続的な成長が続く。広告人材の不足が深刻になっているため、広告に特化した人材育成プロジェクトを発足させる。全体として、ネットを不安やストレスなく使いたいというエンドニーズ、顧客企業の働き方改革によるBPOニーズは高まっており、総合ネットセキュリティ企業である同社の活躍の場も増えていると推察される。進行期は、各事業(カスタマーサポート、サイバーセキュリティ、デバッグなど)の既存顧客にクロスセルの提案を積極的に行う方針だ。
増益スピードを一時的に遅くする理由は、サイバーセキュリティ領域への先行投資を実施することである。具体的には、クラウド型セキュリティ製品の開発(機能追加)を強化する。また拠点の新設・移転も3拠点(フィリピン、東北を含む)予定されている。いずれも好調な需要に対応するためであるが、新設の場合には稼働率が上がるまで費用負担がある。「サイバーセキュリティ」および「海外展開」は同社の中長期の成長分野であり、しっかりとした橋頭堡を築くため先行投資を仕掛ける。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<SF>
1. 2019年9月期通期の業績
イー・ガーディアン<6050>の2019年9月期通期の連結業績は、売上高が前期比10.7%増の6,535百万円、営業利益が同12.4%増の1,167百万円、経常利益が同14.5%増の1,201百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同14.2%増の840百万円と5年連続の2ケタ成長を達成した。
売上面では、主力3業務が伸長したが、なかでもソーシャルサポート業務の伸びがけん引した。特にキャッシュレス決済業者向けの加盟店審査代行、登録申請サポート、取引状況の監視・運用サポートなどで同社が仮想通貨の運用で培ってきたノウハウが発揮され、売上を伸ばした。ゲームサポート業務では中国や韓国をはじめとする海外ゲーム会社向けの売上が増加し、国内ゲーム企業向けの売上高の伸び悩みを補い増収。アド・プロセス業務では広告業界の人手不足から広告運用代行の売上が増加した。
利益面では、営業利益の前期比で12.4%増と高成長を維持する中、売上高営業利益率でも17.9%と高い収益性も維持した。2019年1月の本社移転(新本社は港区虎ノ門)の一時的な費用負担もあったが増収効果で吸収した。今期に入っては新センターの開設がなかった中で、全国およびフィリピンのセンターの稼働率が上がったことが利益率の向上に貢献した。
2020年9月期通期も2ケタ増収と利益微増を予想。サイバーセキュリティ領域に先行投資を実施
2. 2020年9月期通期の業績予想
2020年9月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比13.2%増の7,400百万円、営業利益が同2.9%増の1,201百万円、経常利益が同1.6%増の1,221百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.2%増の850百万円と引き続き2ケタの増収および着実な増益を予想する。
同社の事業を取り巻く市場環境は全体として良好だ。ソーシャルサポート事業においてはECやFinTechの進展が追い風になっている。ゲーム業界は国内ゲーム市場が踊り場を迎えていたが、足元持ち直しの傾向にあり、進行期は期待できる。海外のゲーム市場(特にアジア)および海外ゲーム会社はポテンシャルが大きく、アプローチを更に強化する。同社のフィリピンの拠点はさらに大きな役割を果たしそうだ。インターネット広告市場(アド・プロセス事業)も継続的な成長が続く。広告人材の不足が深刻になっているため、広告に特化した人材育成プロジェクトを発足させる。全体として、ネットを不安やストレスなく使いたいというエンドニーズ、顧客企業の働き方改革によるBPOニーズは高まっており、総合ネットセキュリティ企業である同社の活躍の場も増えていると推察される。進行期は、各事業(カスタマーサポート、サイバーセキュリティ、デバッグなど)の既存顧客にクロスセルの提案を積極的に行う方針だ。
増益スピードを一時的に遅くする理由は、サイバーセキュリティ領域への先行投資を実施することである。具体的には、クラウド型セキュリティ製品の開発(機能追加)を強化する。また拠点の新設・移転も3拠点(フィリピン、東北を含む)予定されている。いずれも好調な需要に対応するためであるが、新設の場合には稼働率が上がるまで費用負担がある。「サイバーセキュリティ」および「海外展開」は同社の中長期の成長分野であり、しっかりとした橋頭堡を築くため先行投資を仕掛ける。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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