ドル円は108円台半ばで様子見 イベントリスク見極めへ=NY為替

著者:MINKABU PRESS
投稿:2019/12/10 00:55
 ドル円は108円台半ばでの狭い範囲での振幅が続いており、様子見気分が強まっている。先週は米雇用統計が強い内容となったにもかかわらず、ドル円は上げを維持できなかった。米雇用統計はかなり強い数字で、米追加利下げ期待は完全に後退したにもかかわらず、109円も200日線も維持できずに失速したことで、上値での戻り売り圧力が強くなっている印象も受ける。

 今週は重要イベントが目白押しで、その前にロングポジションを調整しておきたいといったニーズが多いのかもしれない。ただ、108円台半ばの水準は維持されており、いまのところは下押しする動きまでは出ていない。重要イベントを確認したいといったところのようだ。

 そのイベントリスクだが、11日(水)にFOMC結果発表、12日(木)に英総選挙とラガルド総裁初のECB理事会、そして、15日(日)の対中追加関税の期限に向けての米中協議も山場に入るものと思われる。FOMCやECB理事会はさほど大きないインパクトはドル円に与えないであろう。むしろ、英総選挙と米中貿易協議といった政治イベントがドル円の方向性を決めそうだ。

 英総選挙はジョンソン首相率いる保守党が勝利しそうで、議席をどれだけ過半から上積みできるかに注目が集まっている模様。ただ、市場は楽観的で、英国は秩序ある離脱になると見ている模様。

 米中協議関連では、中国商務省の次官補が「対米貿易交渉できるだけ早く満足な結果を望む」と述べていたが、こちらはどうなるのか未知数の部分が多い。最悪、部分合意が来年に延期になったとしても、15日の追加関税発動は回避されることを市場は期待している。なお、8日日曜日に11月の中国貿易統計が発表になっていたが、輸出が予想外の4ヵ月連続で減少しており、中国も合意へのプレッシャーが高まっていそうだ。

USD/JPY 108.56

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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