今週の米ドル/円予想 週後半のイベントを控え保ち合い(12/9週)
【先週のドル/円の動向と今週の主要イベント】
先週の米ドル/円は反落。週初109.570で寄り付いた米ドル/円は、中国の経済指標が予想より強かったことなどを受けて109.740まで上昇しましたが、トランプ大統領がブラジルとアルゼンチンへの関税賦課を打ち出したほか、ISM製造業景気指数やISM非製造業景気指数、ADP全米雇用報告が弱かったことなどにより、上値の重い展開で推移し108.350まで下落。その後、発表された雇用統計はNFPが前月比26.6万人増(予想:同18万人増)、失業率が3.5%(予想:3.6%)、平均時給が前月比+0.2%(予想:同+0.3%)と強い結果となったため、108.90台まで上昇いたしましたが、クドロー米国家経済会議委員長が「米中協議についてトランプ大統領はまだ署名する準備ができていない」などの発言を受けて、108円台半ばまで値を戻し108.570で引けました。
【米ドル/円(TFX)週足 チャート】
米ドル/円の週足チャートです。
相場は、以前からお伝えしていた黄色い下降トレンドラインを上回ることができずに、先週は反落しています。
また、移動平均線は上から順に52週MA(109.011)、13週MA(108.410)、26週MA(107.785)で、52週MAは下向きで、価格は52週MAと13週MAの間に位置しており、ストキャスティクスも%Dが77%、Slow%Dが82%と過熱感のある水準から下降基調となっているため、中期的なポジショントレードにおけるメインシナリオは、スピード調整の継続を予想します。この場合のレジスタンスは、109円、その上が110円で、サポートは、108.41、その下が107.785です。
一方、チャートパターンとしては、以前からお伝えのとおりヘッドアンドショルダーズボトムを形成しているとも読み取ることができ、13週MAを下回らずに、下降トレンドラインを上回る場合は、買いと考えます。
【米ドル/円(TFX)日足 チャート】
米ドル/円の日足チャートです。
200日MA(108.850)はやや下向き。価格は先週に再度200日MAや基準線、転換線を下回っています。
一方、ストキャスティクスは%Dが25%、Slow%Dが29%まで下落しています。
週末のイベントを控え、当面は、200日MAと雲の上限(108.239)に挟まれた価格帯での推移が想定されるため、当面はレンジ相場での逆張りを、週後半以降はレンジブレイクを狙っていきたいと思います。
このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。チャート画像を拡大したものを、フジトミ公式ツイッター「
日経平均株価指数のフジトミ (https://twitter.com/fujitomi_8740) 」にアップしています。
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
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