先週の日経平均は、ザラ場では23500円を超す場面もありましたが、終値では突破できず
先週の予想では、「今週も米中通商協議の早期合意をめぐる思惑で23000~23500円のレンジの中でのもみあいを想定しました。特に先週、米国議会で香港人権民主主義法案が可決されたことで中国側の内政干渉の反対もあり。早期合意が不透明となっている」としました。又、今週は米国が28日の感謝祭と翌日の短縮営業のため閑散相場となって日本株式に影響するとしました。
結果的には、週前半は米中首脳が共に合意は近いと発言したことで、米株式の主要3指標がそろって3日続伸で史上最高値を更新したことで、日経平均は一時ザラ場で23608円まで上昇しました。しかし、週後半になると米国市場の休場もあって週末は23273円まで下げ、終値は23293円と23500円以内で収まりました。ザラ場では2日間23500円を超える場面もありましたが、終値では23500円を超えることはできませんでした。
11月25日(月)は、前週末の米株式が米中首脳の「合意は近い」発言を受けて3指標そろって反発したことで、日経平均も△179円の23292円で寄り付き、その後、香港の選挙で民主党の優勢見通しを受け23347円まで上昇し、終値は△179円の23292円と続伸しました。
26日(火)も前場は、前日のアメリカ株式が3指標そろって史上最高値更新となったことで、△158円の23451円で寄り付き、一時△315円の23608円とザラ場で年初来高値を更新する動きとなりました。ただし、この上昇は一部報道の「米中双方が中心的問題を協議し、解決してコンセンサスに達した」というのを受け、アルゴリズム取引が反応して急伸した結果でした。実体がなかったため利益確定売りで前引けは上げ幅を縮小し△138円の23431円で引け、さらに後場引けは△80円の23373円で引けました。出来高は16億超え、売買代金3兆1584億円と大商いでしたが、MSCIの銘柄入替えに伴う売買の結果でした。
27日(水)は、前日のアメリカ市場が3日連続の続伸で史上最高値を更新したことを受け△79円の23452円で寄り付き、一時△139円の23507円まで上昇しましたが、買い先行も引けにかけて伸び悩むものの、上海株の上昇や配当再投資の買い観測がみられ、△64円の23437円と4日続伸となりました。
28日(木)は、前日のアメリカ市場は、強い経済指標を受け3指標は4日続伸の最高値更新となりましたが、アメリカで「香港人権民主主義法案」がトランプ大統領の署名によって成立したことで、今後の中国の反発から米中通商協議への影響が懸念され、▼70円の23367円まで下落し、終値は▼28円の23409円と5日ぶりの反落でした。この日のアメリカ市場は感謝祭で休場のため、出来高9.2億株、売買代金1兆5982億円と薄商いとなりました。
29日(金)は、前日の米国市場は休場で材料不足でしたが、朝方は為替相場が落ち着いていたことで△88円の23497円で寄り付きましたが、米中関係が不透明となったことで利益確定売りでマイナスに転じ、後場には一時▼135円の23273円まで下押しし、▼115円の23293円と続落しました。
29日(金)のアメリカ市場は、午後1時までの短縮取引となる中、「香港人権民主主義法案」の成立から終日軟調となり、エネルギー、半導体関連中心に下落し、NYダウは▼112ドルの28051ドル、ナスダック▼39Pの8665P、S&Pは▼12Pの3140Pと3指標下落となりました。シカゴの日経先物は為替は109円台半ばの円安のため△40円の23330円としっかりでした。
今週も米中通商協議での早期合意が高まるかどうかに注目
米中通商協議で先週始めは、両首脳が「第1段階」の合意に前向きな姿勢を示したことで、買い優勢となるものの、その後、トランプ大統領の署名によって「香港人権民主主義法案」が成立したことで、中国側の反発の思惑から合意が不透明となり、週後半は反落となりました。今週は中国側の反発がどの程度のものなのかによって相場の動きが変わってきます。中国側の反発がそれほどのものでなければ、早期合意への期待は高まって23500円を超えて年初来高値を更新していく上昇となり、逆に何らかの報復措置がとられれば、合意が不透明となって売り優勢となります。ただし、12月に入ると主要経済の発表が多くありますので、堅調であれば下げても下値は限定的です。又、12月15日にトランプ政権は幅広い中国製品1600億ドル(約17兆5000億円)分に15%の制裁関税を課す方針ですので、米中協議でこの制裁が発動されるかどうかも注目となります。
本日は、先週末のNYダウは▼112ドルの下落ながら、中国の11月製造業PMIが改善し、上海株式が堅調で時間外の米株も高いことで△94円の23388円で寄り付き、そこから大幅反発となり、後場早々には△268円の23562円まで上昇しました。終値は△235円の23529円となって11月12日の年初来高値(終値23520円)を更新して引けました。ザラ場の年初来高値は11月26日の23608円ですので、終値でここをぬけると一段高が期待できます。
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(指標)日経平均
先週の予測では、米中通商協議の行方と香港情勢を巡る米中対立懸念が相場の材料になるとしました。
結果的に、週前半は米中首脳の「合意は近い」発言を受けて米株式が連日の史上最高値更新を続け、日経平均も11月26日(火)はザラ場で23608円と年初来高値を更新し、27日(水)の△64円の23437円まで4日続伸となりました。その後「香港人権民主主義法案」にトランプ大統領が署名したことで正式に成立し、これに対して中国側が反発したことで合意の先行きが不透明となり、週末は▼115円の23293円と2日続落して引けました。
今週は、米中貿易協議の早期合意に向けての動向が注目となります。そのポイントは、「香港人権民主主義法案」の成立に対して中国側の反発がどの程度かとなります。中国側の反発がそれほどでなければ市場心理は改善し23500円を突破し、年初来高値を更新する可能性があります。一方で中国側が反発して報復措置をすれば売り優勢となってきます。そうはいっても12月に入って主要経済指標の発表多く、順調であれば下げても限定的となります。
(指標)NYダウ
先週の予測では、引き続き米中通商協議の合意を巡って株式相場が変動する展開となるが週後半は休日と時間短縮があるため閑散相場になるとしました。
結果的には、週前半は米中首脳が合意は間近と発言したことで、3指標が4日続伸で史上最高値を更新し、11月27日(水)にはNYダウはザラ場で28174ドル、終値で28164ドルと史上最高値更新となりました。その後は、11月28日(木)の感謝祭の休場をはさんで29日(金)は「香港人権民主主義法案」にトランプ大統領が署名したことで中国側が反発し、米中協議の先行きが不透明となったことで▼112ドルの28051ドルと反落で引けました。柴田罫線をみると、上値を切り上げる順上げの三尊天井となっていましたが、28000ドルを終値でも上回ったことで新しい相場の局面に入った可能性もあります。
今週も米中協議の動向が最大の注目点となり、米中首脳会談の日程が具体化するまでは早期合意は不透明のままで様子見姿勢が続くことになります。ただ、月初めで経済指標が多く発表されることで内容に左右される場面もあるかもしれませんが、基本は最高値圏でのもみあいが続くことになりそうです。
(指標)ドル/円
先週の予測では、米中通商協議の合意の時期を巡って方向感のない相場展開となり、ドル・円は狭いレンジでの値動きとなるとしました。
週始めには、米中両首脳が早期の合意に言及したことで期待が高まり、ドル買い・円売りが優勢となり、又、11月27日の7-9月期GDP改定値が市場予想を上回ったことで109.67円までドルが買われました。その後「香港人権民主主義法案」が成立したことで、リスク回避の円買いが一時、高まりましたが109円台半ばで下げ止まりました。
今週は、ドルは底堅い動きが想定されます。FRBによる利下げ打ち止め観測が広がっており、又、主要経済指標の改善を受けて景気底入れが意識され、ドル買い優勢の面があります。一方で米中通商協議の合意の先行きが不透明なため、中国側の反発によってはリスク回避の円買いの面もありますが、今週発表予定の経済指標がよければドル買いが支援されそうです。108.5~110円のレンジを想定。
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