ドル円は200日線付近で推移 108円台に値を落とす=NY為替後半
NY時間の終盤に入ってドル円は109円ちょうど付近で推移している。後半にかけて米株の追随して利益確定売りがやや優勢となり、108円台に値を落とした。ただ、下押す動きまでは見られていない。
きょうのNY為替市場でドル円は狭い範囲での値動きが続いていた。NY時間の昼になってトランプ大統領のNYエコノミッククラブでの講演が行われたが、市場が注目していた米中貿易協議に関しては「中国は合意を望んでいる。近く大きな合意が実現する可能性がある」と述べるに留まり、市場の反応も限定的となっている。
本日の200日線は109円ちょうど付近に来ており、現在はその付近での推移となっている。ここ数日、上値が重くなっているが、200日線のブレイクを試す動きまでは見られていない。一方で110円を目指す動きもなく、米中の動向を待ちたい雰囲気のようだ。
市場は米中貿易協議の動向にこれまでの楽観的な雰囲気から神経質な展開へと変化している。先週は中国商務省の「段階的な関税撤廃で両国は合意」との発言に市場は期待感を高めていたが、トランプ大統領はその発言をいまのところ追認していない。ホワイトハウス内では段階的な関税撤廃に強い抵抗が出ているとも伝わっている。その意味でも、きょうのトランプ大統領の講演で何らかのヒントが出るか注目されたが、目新しいものはなかった。
一方、ユーロドルも1.10ドル台前半での神経質な値動きが続いている。米国との自動車関税の協議がまとまっていないなか、トランプ大統領が講演で「EUには高い貿易障壁がある」と述べたことに、ややネガティブな反応も見せたが、大きな動きには至っていない。
きょうはドイツZEW景況感指数が発表になっていたが、依然としてマイナス圏ではあるものの、前月から大きく改善した。ZEWは、経済政策を巡る環境の好転への期待感が追い風になったとしている。英国の合意なき離脱のリスクが大きく後退したことも改善に寄与し、米国がEUに対する自動車関税を引き上げの確率も、数週間前より下がったとも指摘した。しかし、ユーロの反応は限定的。市場の関心が米中貿易協議の行方に集中している中、ユーロ圏経済への回復期待までは繋がらなかったようだ。
その米中貿易協議に対するユーロの反応だが、市場の一部からは部分的合意がまとまれば、世界経済やドイツ輸出回復への期待から、ユーロは一旦買いで反応するとの見方も出ているようだ。しかし、もしその通りの反応を見せたとしても、直ぐに別のリスクが再燃し、ユーロ買いは短命に終わるとも指摘している。第1段階が通過すればすぐに第2段階が模索されるという。
ポンドドルは買い戻しが優勢となり、ロンドン時間の下げを取り戻している。一時、21日線が控える1.2875ドル付近まで上昇したが、現在は上値を抑えられている。ロンドン時間に発表になった英雇用統計で平均賃金が予想を下回り、前回からも伸びが鈍化したことで、ポンドは売りが強まっていた。
きのうは英ブレグジット党が12月12日に行われる総選挙で、与党・保守党が議席を持つ317選挙区に立候補者を立てない方針を明らかにし、事実上の共闘態勢を示したことから、保守党の優位がますます強まりポンドは買いが強まっていた。
保守党が勢いを増しそうで、過半数を獲得するとの期待も高まる中、ジョンソン首相がEUと結んだ協定でEU離脱が実現するのではとの見方も強まりつつある。しかし、市場は先週の英中銀政策委員会(MPC)を経て、ファンダメンタルズにも意識が向きつつある中、ポンドの上値は軽くはならないようだ。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
きょうのNY為替市場でドル円は狭い範囲での値動きが続いていた。NY時間の昼になってトランプ大統領のNYエコノミッククラブでの講演が行われたが、市場が注目していた米中貿易協議に関しては「中国は合意を望んでいる。近く大きな合意が実現する可能性がある」と述べるに留まり、市場の反応も限定的となっている。
本日の200日線は109円ちょうど付近に来ており、現在はその付近での推移となっている。ここ数日、上値が重くなっているが、200日線のブレイクを試す動きまでは見られていない。一方で110円を目指す動きもなく、米中の動向を待ちたい雰囲気のようだ。
市場は米中貿易協議の動向にこれまでの楽観的な雰囲気から神経質な展開へと変化している。先週は中国商務省の「段階的な関税撤廃で両国は合意」との発言に市場は期待感を高めていたが、トランプ大統領はその発言をいまのところ追認していない。ホワイトハウス内では段階的な関税撤廃に強い抵抗が出ているとも伝わっている。その意味でも、きょうのトランプ大統領の講演で何らかのヒントが出るか注目されたが、目新しいものはなかった。
一方、ユーロドルも1.10ドル台前半での神経質な値動きが続いている。米国との自動車関税の協議がまとまっていないなか、トランプ大統領が講演で「EUには高い貿易障壁がある」と述べたことに、ややネガティブな反応も見せたが、大きな動きには至っていない。
きょうはドイツZEW景況感指数が発表になっていたが、依然としてマイナス圏ではあるものの、前月から大きく改善した。ZEWは、経済政策を巡る環境の好転への期待感が追い風になったとしている。英国の合意なき離脱のリスクが大きく後退したことも改善に寄与し、米国がEUに対する自動車関税を引き上げの確率も、数週間前より下がったとも指摘した。しかし、ユーロの反応は限定的。市場の関心が米中貿易協議の行方に集中している中、ユーロ圏経済への回復期待までは繋がらなかったようだ。
その米中貿易協議に対するユーロの反応だが、市場の一部からは部分的合意がまとまれば、世界経済やドイツ輸出回復への期待から、ユーロは一旦買いで反応するとの見方も出ているようだ。しかし、もしその通りの反応を見せたとしても、直ぐに別のリスクが再燃し、ユーロ買いは短命に終わるとも指摘している。第1段階が通過すればすぐに第2段階が模索されるという。
ポンドドルは買い戻しが優勢となり、ロンドン時間の下げを取り戻している。一時、21日線が控える1.2875ドル付近まで上昇したが、現在は上値を抑えられている。ロンドン時間に発表になった英雇用統計で平均賃金が予想を下回り、前回からも伸びが鈍化したことで、ポンドは売りが強まっていた。
きのうは英ブレグジット党が12月12日に行われる総選挙で、与党・保守党が議席を持つ317選挙区に立候補者を立てない方針を明らかにし、事実上の共闘態勢を示したことから、保守党の優位がますます強まりポンドは買いが強まっていた。
保守党が勢いを増しそうで、過半数を獲得するとの期待も高まる中、ジョンソン首相がEUと結んだ協定でEU離脱が実現するのではとの見方も強まりつつある。しかし、市場は先週の英中銀政策委員会(MPC)を経て、ファンダメンタルズにも意識が向きつつある中、ポンドの上値は軽くはならないようだ。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。
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