世界のドル不足/ドル離れ現象が顕著化。安泰相場の先に落とし穴に注意したい

著者:藤崎慎也
投稿:2019/11/07 19:16

今年の秋から日経平均及び世界の株価のリセッションが鮮明になる可能性

今年の秋から日経平均及び世界の株価のリセッションが鮮明になると言われているが、売りの踏み上げ相場を巻き込んだ実態のない上昇が続いているように感じる。

日経平均は、10月の月足はボリンジャーバンド+2σ超え、週足でもボリンジャーバンド+2σ超えの高値水準と言える。

ニューヨークダウも27000ドル付近の壁を4回目で超えたが、その後はもみ合いで、そろそろ調整色が強いチャートになりつつある。
※強い相場は、4度目までの高値チャレンジでボックスをしっかりと抜けていく株式投資のセオリーから相場はベアと考えた方が良いといえる。

よって、日経平均/米ダウ共に高値圏からの下落をしやすい環境。

また、先日の米FOMCは、強い内需や成長を謳いながら、3度連続の利下げを発表した。

しかし、今後の利下げについては慎重な意見をFRBは出している現状。

■ポイントとしては、ドルの異変が9月後半から続き、危険なサインが点灯している事をほとんどの投資家は知らない現状。

米ドルは基軸通貨にも関わらず、2019年9月17日(米ドルの利下げ発表)から米国内で米ドルが不足状態の緊急事態が発生している。

1日でもドル不足が発生すると金利が上がり去年の日経平均の18000円台のようなパニック相場になるが、このドル不足が1ヵ月以上継続した経緯がある。過去の歴史上でも無かった事である。

米FRBは対応策として、緊急借入(ドル増刷)で凌ぎ、ドルの継続的増刷を焦りながら発表した経緯がある。

原因は、基軸通貨のドルの信用不安及び、世界銀行のドル準備金からゴールド準備金などへのシフト、基軸通貨ドル以外での取引(元本位市場、金本位市場、石油本位市場という新しい市場を世界中で創造されつつある状況と言えよう。)

<参考:レポ金利の急上昇やまず、世界的なドル調達コストに波及>

2019年9月17日【引用:bloomberg】
突然のドル不足は2つの要因が偶然重なったためで、影響は短期的かもしれないが、重要な借入市場の脆弱(ぜいじゃく)性が浮き彫りになった。

780億ドル(約8兆4400億円)相当の発行に対して償還は240億ドル、そのギャップは500億ドルを上回った。

ドル不足と米国債大量供給で、翌日物レポ金利は16日に2倍以上の4.75%に跳ね上がり、昨年12月以来の高水準に達した。米利上げは、ドル高=世界のドルを米国に集める政策から、再度、リセッション(景気後退を認めた)金融緩和策に転換したドルは、世界からの信用を失いつつある状況であり、ドルでの取引や、資本準備金からドルを拒否してる国も増えてきている現状。

また、過去の歴史上、利上げ局面から利下げ=リセッション(景気減速)局面で世界恐慌や通貨危機は起こる不安定な状況

幾らドルを刷っても経済成長しない米国の内部事情は尋常じゃないほど焦っていると一部報道されており、株価の含み益で保たれていると言っても過言ではない日米の株式市場の、デフレの株高現象がどこまで続くのかは懐疑的である。

また、ドル不安が顕著化すると、円高も進み、日経平均は年末に向けて修羅場になる可能性も否めない状況と判断できる。

日経平均のチャートも過去の月足の上値抵抗線のボリンジャーバンド+2σから上値抵抗ライン上限の23500円が戻り一杯の高値ライン。

下値下落は、真空地帯より下落仕掛けは容易なチャートであり、下値は2万円~ボックス下値抵抗線の21000円まで簡単に下がりそうなチャートより、上昇目安は500円、下落目安は2000円~3000円値幅があるので売り方に分があるタイミング。

また、毎月恒例となっているSQ仕掛けも11月8日(金)に控えており、そこに向けた売り仕掛けがあると予想する。

よって、日経平均が下落時に2倍のパーセンテージの上昇するWインバース(1357.1360)の買いの狙い目は近いと予想。

SQ前は、短期急落で急上昇する日経VI(2035)は短期的に面白いタイミング。

また、米ダウの下落は、NYダウベア(2041)の買い、急落はVIX短先物(1552)の買いで対処可能である。

日経先物・オプションを使えば、約15倍のレバレッジを使った取引も可能であり、10%のロスカットを必須条件にして売り上がるという戦略も有りなタイミングといえる。
藤崎慎也
フィデリア株式会社 代表取締役 投資助言者
配信元: 達人の予想