~空間シェアリングエコノミーで断トツのビジネスモデルを展開~
【ポイント】
・2019年5月末に日本リージャスの買収を完了した。世界トップクラスのレンタルオフィス企業であるRegus(リージャス)の日本におけるマスターフランチャイジーとなった。これで貸会議室に加えて、貸オフィスでもブランド力のある事業展開が可能となった。TKP 250拠点、日本リージャス150拠点の合計400拠点を、今後10年で1500拠点まで拡大しようという戦略がスタートした。画期的な事業展開で成長力は加速しよう。
・買収金額は3.2億ポンド(約450億円)であった。のれん(429億円)は20年で償却するので、年間21.5億円の費用が発生する。日本リージャスはそれを上回る収益力があり、TKPとのシナジーも見込める。よって、3年後の連結営業利益は120億円を超えてこよう。
・時間貸し(会議室)から月貸し(オフィス)へ事業の枠を広げようとしていた。この局面でリージャスの案件が飛び込んできた。すぐに動いて、IWG(リージャス)の創業者でCEOのマーク・ディクソン氏と意気投合し、一気に買収を決めた。ディクソン氏は、TKPの社外取締役にも就任したので、今後の連携は深いものとなろう。
・9月末に台湾リージャスを完全子会社化した。台北を中心に14拠点(予定1店を含む)を有するが、これを50拠点に拡大。29億円で買収(のれん償却年間1.5億円)し、3年後に売上高23億円、EBITDA 6億円を目指す。台湾をベースに、アジア各国への拡大を図る。
・新しい中期3ヵ年計画を6月に策定し、8月に見直した。リージャスと連携して、フレキシブルオフィス市場でNo.1のポジションを取ろうという作戦である。働き方改革の進行で、フレキシブルオフィス市場は現在の2000億円が、2030年には6兆円に拡大するという見方が有力である。共同仕入れ、共同出店によって、面としてのシェアを拡大するとともに、フレキシブルオフィスの周辺サービス(コンテンツ)にも事業を広げていく方針である。
・この3次元の事業拡大戦略を図りながら、3年後の2022年2月期に営業利益で124億円(売上高営業利益率15.7%)、EBITDA183億円(同マージン23.1%)を目指す。十分射程内にあろう。国内で圧倒的ポジションを確保するとともに、河野社長の目は海外にも向いている。企業価値は大きく高まる局面にあるので、市場での評価は一段と高まろう。
目 次
1.特色 所有価値から使用価値へ、シェアリングエコノミーを実践
2.強み 真似のできない空間再生で、稼働率向上が高収益を生む
3.大型M&A フレキシブルオフィスの日本リージャスを買収
4.中期経営方針 ビジネスモデルの革新で成長力が加速
5.当面の業績 好調を持続し、ピーク利益の更新続く
5.企業評価 シナジーは明らか、グローバルも視野に
企業レーティング | A |
---|---|
株価 (2019年10月31日) |
4755円 |
時価総額 | 1784億円 (37.5百万株) |
PBR | 6.28倍 |
ROE | 10.6% |
PER | 59.1倍 |
配当利回り | 0.0% |
総資産 | 111069百万円 |
純資産 | 24769百万円 |
自己資本比率 | 10.5% |
BPS | 757.5円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2013.2 | 8102 | 1129 | 1222 | 615 | 20.6 | 0 |
2014.2 | 10877 | 1060 | 1241 | 198 | 6.6 | 0 |
2015.2 | 14162 | 878 | 701 | 339 | 11.3 | 0 |
2016.2 | 17941 | 2004 | 1848 | 935 | 31.3 | 0 |
2017.2 | 21978 | 2694 | 2552 | 1352 | 45.2 | 0 |
2018.2 | 28689 | 3449 | 3200 | 2071 | 64.0 | 0 |
2019.2 | 35523 | 4289 | 4053 | 1893 | 58.1 | 0 |
2020.2(予) | 56500 | 7800 | 6000 | 2900 | 80.4 | 0 |
2021.2(予) | 70000 | 10200 | 9500 | 4700 | 124.7 | 0 |
(2019.8ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2015.2期より連結決算、それまでは単独決算。2017年1月に1:100の株式分割、2017年9月に1:7の株式分割を実施。それ以前のEPSは修正ベース。2020.2期は2Qより日本リージャスを含む。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/TKP201911.pdf
関連銘柄
銘柄 | 株価 | 前日比 |
---|---|---|
3479
|
1,269.0
(11/12)
|
+40.0
(+3.25%)
|
関連銘柄の最新ニュース
-
東証グロ-ス指数は小幅続伸、上値の重い展開で一時マイナス圏に転落 11/12 16:45
-
ティーケーピー---不動産システム会社とAPAMANからレンタルオ... 11/11 18:16
-
TKP---神奈川県藤沢市のホテルを取得し「アパホテル〈湘南 辻堂... 11/08 17:17
-
TKP(3479) 事業譲受に向けた基本合意書締結のお知らせ 11/08 16:00
-
TKP、仙台エリア7施設目となる「TKP仙台青葉通カンファレンスセ... 11/06 18:48
新着ニュース
新着ニュース一覧-
今日 07:21
-
今日 07:20
-
今日 07:16
-
今日 07:15