■10月21日(月)■引き続き堅調な動きが期待される東京市場

著者:堀篤
投稿:2019/10/21 08:42

今週は、大幅上昇はなくとも、堅調な推移が想定できる

今週の東京市場は、火曜日休日という、これまでにあまりない日程がどう影響するか、難しいところだ。それを無視すれば、週前半には、高値警戒感などから調整する可能性があるが、週後半には、堅調な動きを取り戻す、と考えるのがメインシナリオだろう。問題は火曜休日によって、月曜日のうちに反発に入るか、水曜日になってから反発するか、という判断だ。慎重に対処するなら、反発に入るかどうかの見極めを、水曜日まで待つ方がお勧めだが、月曜日の日中から、日経平均は反発に入る可能性もある。いずれにしても、今週は、大幅上昇はなくとも、堅調な推移が想定できる。

 先週末は、中国の四半期成長率が6%であったことへの警戒感が出たことにより、NY市場は、中規模な下落を演じている。しかし、中国の経済成長率は、IMF発表の6.3%はまだ楽観的で、2019年を通じて6%~6.2%近傍への減速は、投資家の間では織り込まれつつある。これら数値は、米中貿易摩擦の緩和により、回復可能である、というのが、基本的な見方だ。
それよりも、欧州の対米報復関税、英国のEU離脱の影響にリスクがあるが、前者に関しては、EUは強気の態度ではあるものの、米国との全面対決は避ける姿勢を見せている。しかし一方で、19日の英国議会による離脱案承認は、またしても中途半端な経緯となり、株式市場にはリスクが残った。もう一つの国際的リスクであるトルコの軍事行動問題も含め、欧州リスクは徐々に高まっている。ただし、これらのリスクが本格化するのは、おそらく早くても11月だろう。

日経平均株価は、11月まで堅調に推移する可能性が高い。先週、第一目標(9月高値22256)、第二目標(4月高値22363)を突破した日経平均は、第三目標(昨年高値24448)に向けて上昇する動きを見せるのではないか。ただし、現在の環境では、第三目標に届くには材料不足だ。米中問題、欧州問題が解決に向かうことが、なにより重要な要素であり、また、10月1週の国慶節以降のインバウンドの情勢、消費税増税後の最初の12月商戦にも注目しておきたい。

 さらに、前回も指摘したが、これらの要素や他の事由で大きなリスクが生じた場合の株式市場の動きは速い。大きな下落リスクには常に敏感に対処したい。
堀篤
日本マネジコ、東京スコットマネジメント代表取締役
配信元: 達人の予想