“上値の重さ”以上に“下値の堅さ”が目立つ - ただ“流動性低下”には注意が必要…!?

著者:武市佳史
投稿:2019/10/01 10:31

◆“ユーロ売り”をキッカケに“108円回復” - ドル円

※ご注意:予想期間は10月2日と表示されていますが、本日(10月1日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


想定したように“上値の重さ”は囃されましたが、それ以上に昨日は“下値の堅さ”が目立ちました。
いくつか要因はありますが、主だったものは「独景況悪化への懸念」と、それに伴う“ユーロ売り”と見られます。

この影響でユーロドルは“2017年5月来の安値(1.08851ドル)”へと売り込まれ、相対的に“ドル買い”が進行したからです。
こうして“107円後半”で推移していたドル円は、「米10年国債利回りの持ち直し(1.69%⇒1.71%)」もあって、“108円前半”へと水準を一段切り上げました。
もっとも“様子見(動きづらい)”そのものが変わったわけではないため、そこから上値を伸ばすには至りませんでした。

◆「日銀短観」も“ネガティブ”にならなかっただけに…?

今朝方発表された「日銀短観」は“前回を大きく下回った”ものの、“事前予想は上回って”おり、懸念された“ネガティブ”には発展しておりません。
こうした中で「中国市場が休場(国慶節:~7日)」を背景にした“流動性の低下”を鑑みれば、“もう一段の上値追い”も十分に期待される局面といえそうです。

◆“流動性低下”には注意が必要…!?

ただし“流動性低下”といえば、“継続性は微妙”といわざるを得ない面を持っています。
「豪政策金利」「仏・独・欧の製造業PMI」等、イベントはいくつも予定されますが、“直近高値(9/18-19:108.474円)”の突破を窺うには力不足…?
本日に関しては「ISM製造業景況指数」の後押しが欲しい、なければ難しいと考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:108.880(+2σ)
上値4:108.688(ピボットハイブレイクアウト)
上値3:108.474(9/18-19高値、週足・一目均衡表基準線、月足・一目均衡表転換線、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:108.255(ピボット1stレジスタンス、+1σ)
上値1:108.180(9/27-30高値)
前営業日終値:108.078(大台)
下値1:107.822(ピボット1stサポート)
下値2:107.742(9/30安値、100日移動平均線、日足・一目均衡表転換線)
下値3:107.654(9/27安値、20日移動平均線)
下値4:107.571(9/24~9/27の50%押し、20週移動平均線、ピボット2ndサポート)
下値5:107.427(9/26安値、9/24~9/27の61.8%押し、ピボットローブレイクアウト)
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想