明日の株式相場戦略=中低位株バブル相場と光通信関連
閑散商状が続いている。きょう(4日)の東京株式市場は、日経平均が朝安後に切り返し小幅ながらプラス圏を確保したものの、売買代金は1兆6000億に届かなかった。東証1部の値下がり銘柄数が1600近くに及び、値上がり銘柄数の3倍以上という地合いは決して強いとはいえない。前日と同様にただ波間を漂っている印象が強い。
個人投資家マインドのバロメーターともなる信用評価損益率をみても、8月30日申し込み時点でマイナス15.93%、マザーズなど新興市場に限れば実態は更に厳しい。きょうは、香港行政長官が逃亡犯条例改正案を正式に撤回すると報じられたことで、香港株が大幅高に買われており、明日の相場はおそらくリスクオンで上に向かう可能性が高そうだが、これも相場のトレンド自体を変える契機とはなりにくい。総論としては依然として楽観できない局面が続く。
ただし、各論では状況が変わってきた。相場の波紋は大きく変化を遂げている。個人投資家マネーの離散が甚だしいと思いきや、どうやらそうとも言い切れないようだ。物色対象の二層化が進んでいるのだ。株価3ケタ台の中低位株に爆発的な脚力を発揮する銘柄が相次いでいる。
その先頭ランナーとなったのがインタートレード<3747.T>。きょうで5日連続のストップ高と問答無用の急騰パフォーマンスを演じている。8月23日にLINE証券に金融商品取引向けトータルソリューションの導入を発表、人工知能(AI)を使った株式取引システムを提供することが材料視された経緯があるが、その余韻で29日からきょうに至るまでの暴騰劇を説明することは難しい。遅かれ早かれ反動は来ると思われるが、少なくともここまでは売り方の買い戻しを強制する“踏み上げ相場”の色が強い。
そして、過激ともいえる投資マネーの流入を目の当たりに、材料株人気が燎原の火のごとく広がりをみせている。ポイントは株価が3ケタ台の銘柄だ。東証1部・2部、新興市場を問わず、まさに百花繚乱の様相を呈しつつある。
アトラ<6029.T>、サマンサタバサジャパンリミテッド<7829.T>、アストマックス<7162.T>、テモナ<3985.T>。新しいところでは材料の出たカイノス<4556.T>やジャパンシステム<9758.T>、アスコット<3264.T>、更にクボテック<7709.T>、文教堂グループホールディングス<9978.T>など、ファンダメンタルズではなく、今はモメンタム重視の相場が勢いを増している。
これをマネーゲームと斬って捨てるのは簡単だが、それでは株式投資のメカニズムそのものを否定するようなもので、参戦するしないに関わらず足もとの相場の流れは押さえておきたい。全体指数の戻り局面では主力大型株に資金が回り、中低位材料株の動きが止まる可能性があるが、日経平均が明確に上値を追う展開にならない以上、主力株の上値は限定的。今の潮の流れは変わらない。
もう一点、現在のマーケットでは光通信<9435.T>が大株主に入っている銘柄に動意づくものが再び目立つようになってきた。同関連でロングラン銘柄となっているのは、例えばオリコン<4800.T>がある。きょうは光通信グループが保有するベネフィットジャパン<3934.T>が急騰、株価は8月上旬まで800~900円台を約半年にわたりもみ合っていたが、8月14日に決算発表を受けて一気に上放れ、なお上昇指向を強めている。中低位株では前出のカイノスも光通信関連だ。
中低位株の集中物色の流れと光通信関連人気、双方の枠に入る銘柄で妙味を内包しているものでは、ゴンドラメーカーで東京五輪及び大阪万博関連として人気素地があるサンセイ<6307.T>。また、業務用厨房機器販売の大手である北沢産業<9930.T>も光通信が上位株主に入っている。更に業績は悪いが、ザッパラス<3770.T>もこの条件を満たす銘柄として、目先的にマークしておきたい。
このほか、光通信関連ではないが、中低位株では前日取り上げたハイパー<3054.T>が一時12%高と急騰、625円まで上値を伸ばした。繰り返しになるが、現在、小中高校で学習用コンピューター(パソコンやタブレット)が圧倒的に不足している状況にあり、20年度から小学校でプログラミング教育が必修化されることで、その傾向は加速的に強まることになる。同社は法人向けパソコン販売を主力としており、中小企業をエンドユーザーとしてパソコンを販売するほか、卸業者にも納入している。会社側では「(学校側からの)直接的な問い合わせは今のところないが、今後は業者を通じてその追い風を感じる局面があるかもしれない」としている。これは意外とインパクトの大きい材料といえる。同社株の目先の押し目は注目。中低位株物色の流れに乗り、8月初旬に続く株高パフォーマンスが見られる可能性も出てきた。
日程面では、あすは8月の輸入車販売、対外・対内証券売買契約が開示されるほか、30年物国債の入札がある。海外では8月のADP全米雇用リポート、8月のISM非製造業景況感指数などが焦点となる。また、7月の豪貿易収支。スウェーデン中銀が政策金利を発表する。(中村潤一)
出所:minkabuPRESS
個人投資家マインドのバロメーターともなる信用評価損益率をみても、8月30日申し込み時点でマイナス15.93%、マザーズなど新興市場に限れば実態は更に厳しい。きょうは、香港行政長官が逃亡犯条例改正案を正式に撤回すると報じられたことで、香港株が大幅高に買われており、明日の相場はおそらくリスクオンで上に向かう可能性が高そうだが、これも相場のトレンド自体を変える契機とはなりにくい。総論としては依然として楽観できない局面が続く。
ただし、各論では状況が変わってきた。相場の波紋は大きく変化を遂げている。個人投資家マネーの離散が甚だしいと思いきや、どうやらそうとも言い切れないようだ。物色対象の二層化が進んでいるのだ。株価3ケタ台の中低位株に爆発的な脚力を発揮する銘柄が相次いでいる。
その先頭ランナーとなったのがインタートレード<3747.T>。きょうで5日連続のストップ高と問答無用の急騰パフォーマンスを演じている。8月23日にLINE証券に金融商品取引向けトータルソリューションの導入を発表、人工知能(AI)を使った株式取引システムを提供することが材料視された経緯があるが、その余韻で29日からきょうに至るまでの暴騰劇を説明することは難しい。遅かれ早かれ反動は来ると思われるが、少なくともここまでは売り方の買い戻しを強制する“踏み上げ相場”の色が強い。
そして、過激ともいえる投資マネーの流入を目の当たりに、材料株人気が燎原の火のごとく広がりをみせている。ポイントは株価が3ケタ台の銘柄だ。東証1部・2部、新興市場を問わず、まさに百花繚乱の様相を呈しつつある。
アトラ<6029.T>、サマンサタバサジャパンリミテッド<7829.T>、アストマックス<7162.T>、テモナ<3985.T>。新しいところでは材料の出たカイノス<4556.T>やジャパンシステム<9758.T>、アスコット<3264.T>、更にクボテック<7709.T>、文教堂グループホールディングス<9978.T>など、ファンダメンタルズではなく、今はモメンタム重視の相場が勢いを増している。
これをマネーゲームと斬って捨てるのは簡単だが、それでは株式投資のメカニズムそのものを否定するようなもので、参戦するしないに関わらず足もとの相場の流れは押さえておきたい。全体指数の戻り局面では主力大型株に資金が回り、中低位材料株の動きが止まる可能性があるが、日経平均が明確に上値を追う展開にならない以上、主力株の上値は限定的。今の潮の流れは変わらない。
もう一点、現在のマーケットでは光通信<9435.T>が大株主に入っている銘柄に動意づくものが再び目立つようになってきた。同関連でロングラン銘柄となっているのは、例えばオリコン<4800.T>がある。きょうは光通信グループが保有するベネフィットジャパン<3934.T>が急騰、株価は8月上旬まで800~900円台を約半年にわたりもみ合っていたが、8月14日に決算発表を受けて一気に上放れ、なお上昇指向を強めている。中低位株では前出のカイノスも光通信関連だ。
中低位株の集中物色の流れと光通信関連人気、双方の枠に入る銘柄で妙味を内包しているものでは、ゴンドラメーカーで東京五輪及び大阪万博関連として人気素地があるサンセイ<6307.T>。また、業務用厨房機器販売の大手である北沢産業<9930.T>も光通信が上位株主に入っている。更に業績は悪いが、ザッパラス<3770.T>もこの条件を満たす銘柄として、目先的にマークしておきたい。
このほか、光通信関連ではないが、中低位株では前日取り上げたハイパー<3054.T>が一時12%高と急騰、625円まで上値を伸ばした。繰り返しになるが、現在、小中高校で学習用コンピューター(パソコンやタブレット)が圧倒的に不足している状況にあり、20年度から小学校でプログラミング教育が必修化されることで、その傾向は加速的に強まることになる。同社は法人向けパソコン販売を主力としており、中小企業をエンドユーザーとしてパソコンを販売するほか、卸業者にも納入している。会社側では「(学校側からの)直接的な問い合わせは今のところないが、今後は業者を通じてその追い風を感じる局面があるかもしれない」としている。これは意外とインパクトの大きい材料といえる。同社株の目先の押し目は注目。中低位株物色の流れに乗り、8月初旬に続く株高パフォーマンスが見られる可能性も出てきた。
日程面では、あすは8月の輸入車販売、対外・対内証券売買契約が開示されるほか、30年物国債の入札がある。海外では8月のADP全米雇用リポート、8月のISM非製造業景況感指数などが焦点となる。また、7月の豪貿易収支。スウェーデン中銀が政策金利を発表する。(中村潤一)
出所:minkabuPRESS
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