■要約
プラザクリエイト本社<7502>は写真のプリントショップでスタートし、デジタルプリントにドメインを拡大。プリント事業では直営店舗のFC化とオンライン事業の立ち上げを主眼とする事業モデル改革に取り組む。モバイル事業は安定収益源として基盤が確立。今後は法人ビジネス(BtoB)の拡大にも注目。
1. 事業モデルの変革が順調に進捗し“小売業”から“企画会社”へと業態が一新
同社はかねてより事業モデルの変革に取り組んでいる。事業モデル変革の骨子は、小売(店舗)ビジネスにおけるパレットプラザの直営からFC(フランチャイズ)店への全面切り替え、卸売・代理店ビジネスの強化、オンライン事業の強化の3点だ。事業としてはここに法人事業も加わるため、大きく4つの事業へと細分化されることになる。事業モデル変革の細部の詰めや、実行のための内部体制の整備などの時間を要していたが、それらも2019年3月期までにほぼ完了し、2020年3月期は最終仕上げの段階へと移った。2020年3月期からの同社は、“小売業”から“企画会社”へと業態を一新する形となる。オフィスリニューアルも含めて環境と人心を一新して新たな事業展開に臨む方針だ。
2. 高い信頼感と実績でキャリアショップが急拡大。制度変更の影響をどうしのぐかに注目
モバイル事業もまた、大きな転換点に直面している。同社は上場企業としての財務安定性や社会的信頼性、何より店舗運営の実績といった点が評価されて、キャリアショップを急速に成長させてきた。こうした同社独自の強みは変わるところはない。しかし、事業環境として、端末代金と通話料の分離の問題や、解約料上限1,000円ルールの導入により、顧客の消費行動が大きく変わる局面を迎えている。業界全体で言えばこれらの環境変化は向かい風のものであり、同社もその影響は避けられない。こうした環境下では業界の勢力図が一変することがしばしばみられる。上記のような強みを有する同社が、暴風渦巻く中でうまく風をつかまえて推進力に変え、成長を持続できるかに注目したい。
3. 業績は順調。2019年3月期に続き、2020年3月期も難しい環境下で増益維持を目指す
業績は順調だ。2019年3月期は、増収増益で着地した。営業利益は期初予想を下回ったが、前年夏の自然災害や天候不順が主因で、同社自身の責めによるマイナス部分はほとんどなかった。下半期に8億円以上の営業利益を稼ぎ出した点など、ポジティブに評価できる要素も多かった。2020年3月期については、売上高24,000百万円、営業利益250百万円を予想しているが、この数字は外部要因の不透明さによる腰だめの予想で、“前期比増益を確保する”というメッセージ以上の意味はないと弊社ではみている。プリント事業においては、FC化の進展で減収ながら、利益面では改善が期待される。モバイル事業では、制度変更が無ければ増収増益が合理的に期待できるが、制度変更によって前期並みの収益にとどまる可能性もある。こうした不透明ななかでも、前期並みの利益を確保することを最低ライン(ベースライン)とし、そこに可能な限り収益を上積みしていく意思を込めたのが今回の期初予想ということだ。
■Key Points
・2019年3月期は増収増益で着地。今後につながる要素が複数確認できた1年
・プリント事業の事業モデル変革が進み、“企画会社”へと変貌
・DIYキット『つくるんです®』シリーズのヒットで卸売事業が存在感のある規模へと成長
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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プラザクリエイト本社<7502>は写真のプリントショップでスタートし、デジタルプリントにドメインを拡大。プリント事業では直営店舗のFC化とオンライン事業の立ち上げを主眼とする事業モデル改革に取り組む。モバイル事業は安定収益源として基盤が確立。今後は法人ビジネス(BtoB)の拡大にも注目。
1. 事業モデルの変革が順調に進捗し“小売業”から“企画会社”へと業態が一新
同社はかねてより事業モデルの変革に取り組んでいる。事業モデル変革の骨子は、小売(店舗)ビジネスにおけるパレットプラザの直営からFC(フランチャイズ)店への全面切り替え、卸売・代理店ビジネスの強化、オンライン事業の強化の3点だ。事業としてはここに法人事業も加わるため、大きく4つの事業へと細分化されることになる。事業モデル変革の細部の詰めや、実行のための内部体制の整備などの時間を要していたが、それらも2019年3月期までにほぼ完了し、2020年3月期は最終仕上げの段階へと移った。2020年3月期からの同社は、“小売業”から“企画会社”へと業態を一新する形となる。オフィスリニューアルも含めて環境と人心を一新して新たな事業展開に臨む方針だ。
2. 高い信頼感と実績でキャリアショップが急拡大。制度変更の影響をどうしのぐかに注目
モバイル事業もまた、大きな転換点に直面している。同社は上場企業としての財務安定性や社会的信頼性、何より店舗運営の実績といった点が評価されて、キャリアショップを急速に成長させてきた。こうした同社独自の強みは変わるところはない。しかし、事業環境として、端末代金と通話料の分離の問題や、解約料上限1,000円ルールの導入により、顧客の消費行動が大きく変わる局面を迎えている。業界全体で言えばこれらの環境変化は向かい風のものであり、同社もその影響は避けられない。こうした環境下では業界の勢力図が一変することがしばしばみられる。上記のような強みを有する同社が、暴風渦巻く中でうまく風をつかまえて推進力に変え、成長を持続できるかに注目したい。
3. 業績は順調。2019年3月期に続き、2020年3月期も難しい環境下で増益維持を目指す
業績は順調だ。2019年3月期は、増収増益で着地した。営業利益は期初予想を下回ったが、前年夏の自然災害や天候不順が主因で、同社自身の責めによるマイナス部分はほとんどなかった。下半期に8億円以上の営業利益を稼ぎ出した点など、ポジティブに評価できる要素も多かった。2020年3月期については、売上高24,000百万円、営業利益250百万円を予想しているが、この数字は外部要因の不透明さによる腰だめの予想で、“前期比増益を確保する”というメッセージ以上の意味はないと弊社ではみている。プリント事業においては、FC化の進展で減収ながら、利益面では改善が期待される。モバイル事業では、制度変更が無ければ増収増益が合理的に期待できるが、制度変更によって前期並みの収益にとどまる可能性もある。こうした不透明ななかでも、前期並みの利益を確保することを最低ライン(ベースライン)とし、そこに可能な限り収益を上積みしていく意思を込めたのが今回の期初予想ということだ。
■Key Points
・2019年3月期は増収増益で着地。今後につながる要素が複数確認できた1年
・プリント事業の事業モデル変革が進み、“企画会社”へと変貌
・DIYキット『つくるんです®』シリーズのヒットで卸売事業が存在感のある規模へと成長
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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