■6月3日(月)■20300円、19700円の2つのポイント

著者:堀篤
投稿:2019/06/03 09:40

今週の相場の注目点

先週の日経平均株価は、1週間で2.4%下落し、ボックス圏の下限価格を下方へ突破して終わった。
それでも短期ボックス、中期上昇、という解釈を守るには、20300円を死守しなくてはならない。しかし、海外での先物の状況や為替、原油の動きを見た場合、この水準は下へ突破される可能性が強い。
一方、短期調整、中期上昇、という局面の維持で妥協した場合でも、下値は19700円程度まで程度しか許容できない。2012年から始まった上昇相場の下値支持線が、その水準に当たるからだ。。つまり、中期的な投資家は、19700円を割れるまでは様子を見るが、そこを割れるようなら売却すべき、ということになる。
月曜朝、売却圧力が大きいようなら、20300円の防衛ラインはすぐに後退し、20000円という心理的な節目を含めた防衛ラインが敷かれることになる。もちろん、この防衛ラインが明確に破られた場合、その後の展開に与える影響は大きい。今度は、20000円が上値の抵抗線となるからだ。
ただし、一時的に割れたとしても、19700円までですぐに20000円に戻る、という動きが出れば、ぎりぎりで中期的な上昇に中に留まったことになり、逆に絶好の買い場となる。この攻防戦は、傍観者から見れば、見どころになるだろう。
 しかし、19700円を割り込み、20000円までに瞬時に戻ることが難しくなった場合、日経平均は空売り攻撃にさらされ、18000円程度までの急落につながる可能性が出てくる。

いずれにしても、日経平均がどこで下げ止まるか、今週は注目される展開となるだろう。
こうなった原因は、報道で知られている通り、米国のメキシコ向け関税の発動であり、それによる米国景気への悪影響である。8日から始まるG20財相会議で、各国の中央銀行は、景気に対する危機感が強いことで一致するだろう。それらに対応する事前コメントなどで、株価下落に一定の歯止めがかかる可能性もあるが、状況は厳しいと言わざるを得ない。
 米国の政治経済政策は、きわめて短期主義的なものになっている。ホワイトハウスでは、これに反対する動きもかなりあったようだが、トランプ氏の短期主義、楽観主義は、ここにきて拍車がかかっている。G20が刻一刻と近付く中、日米間の貿易物品交渉の行方にも注目が集まるが、これが株価にどう影響するかは不明である。
 物色対象の選定は難しく、先週のように、ほぼ全下落(エネルギー関連を除く)、という展開が想定しやすい。ただし、19700円への突っ込みところでは、内需大型株を仕込んでおくべきだろう。また、消費税延期の期待感が強まれば、どこかの時点で小売りが注目される可能性がある。
堀篤
日本マネジコ、東京スコットマネジメント代表取締役
配信元: 達人の予想