■5月27日(月)■内需好業績銘柄と自社株買い期待銘柄に注目する

著者:堀篤
投稿:2019/05/27 08:43

物色対象で着目する3点

先週の日経平均は、引き続き、21000円を割れると買いが入る展開が続き、クラッシュを避けることに投資家または公的資金がコンセンサスを形成したかのような動きに終始した。トランプ氏の訪日中に何か大きな成果があれば別だが、これまでの動向からは、株式市場を大きく動かすほどの材料は出そうにない。今週も、20750円~21500円程度のボックス圏の動きに終始するだろう。
ただし、物色対象は、二通りに絞られそうだ。一つは、内需好業績銘柄。ここのところ、市場では米ドルの上昇に歯止めがかかりつつある。この動きが、資金を内需関連に向かわせている可能性がある。米中通商問題の長期化は、今のところ、株式市場よりも米ドルへの売りとなって表れているようだ。この問題によって米国景気がさらに減速する危険性を、ディーラーたちは敏感に感じている。
もう一つは、株主総会前に自社株買いを発表しそうな銘柄だ。後者を探すのは非常に難しいが、以下の点に着目してみるべきだろう。

①業績がそれほど良くない
②外国人投資家が主要株主にいる
③キャッシュリッチな企業

こういった銘柄は、他の投資家も似たような選別をすることから、株価は期待値だけで上昇するかもしれない。しかし、他の材料にも注目しなければならない。例えば、京セラは、自社株買いを方針の一つとしているので、近いうちの発表する可能性があると言われている。しかし、ファーウェイ問題の渦中にあることを考えると、賭けになってしまう。
今期は大型の自社株買がたびたび発表されている。DeNAやソニー、ファナックやSOMPOホールディングスなどが、これまでにない大型自社株買いを発表している。私は個人的には、成長投資を十分に検討せずに行う自社株買いは、日本のGDPが回復しない主因の一つと考えており、経済全体のことを考えれば、こういった動きにはあまり賛成はできないと考えている。
とはいえ、ファーウェイ関連など、たの材料に注意しながら、そういった銘柄があれば、狙ってみる価値はあるだろう。
堀篤
日本マネジコ、東京スコットマネジメント代表取締役
配信元: 達人の予想