後場に注目すべき3つのポイント~ひとまずファナック・ショックには至らず

配信元:フィスコ
投稿:2019/04/25 12:50
25日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

日経平均は反発、ひとまずファナック・ショックには至らず
・ドル・円は下げ渋り、日銀の緩和維持に期待感
・値上がり寄与トップは、花王<4452>、同2位は中外製薬<4519>


日経平均は反発、ひとまずファナック・ショックには至らず

日経平均は反発。80.99円高の22280.99円(出来高概算5億3462万株)で前場の取引を終えた。前日の米国株式市場では、複数の主要企業決算が嫌気されたほか、直近のS&P500及びナスダック総合指数の最高値更新を受けて利益確定の動きも広がったが、1-3月期決算発表を終えた企業の約8割で収益が市場予想を上振れたとの報道もあり、決算期待から下値は限られた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比50円高の22220円になり、本日の東京市場は朝方は売り先行でのスタートを切った。その後は、市場想定大幅に下回るガイダンスを発表したファナック<6954>が、売り先行後に下げ渋りを見せた流れから、日経平均もプラスに転じる展開となった。前引けにかけては、為替の円安一服や週末から始まる国内10連休を控えて、総じて上値は重かった。

セクターでは、その他製品や陸運業が1%を超える上昇となったほか、化学、建設業、精密機器、小売業も堅調。一方で、鉱業や証券・商品先物取引業は1%を超える下落に。売買代金上位銘柄では、日立<6501>による売却方針が固まったとの報道が一部メディアにて伝わった日立化成<4217>が年初来高値を更新、本日大引け後に決算を控える任天堂<7974>が2%近く上昇したほか、ZOZO<3092>東京エレクトロン<8035>、ソニー<6758>、SUMCO<3436>も上昇。一方で、前期業績を下方修正した日産自<7201>、前日の決算が嫌気されたキーエンス<6861>キヤノン<7751>などは軟調であった。

本日の東京市場前場では、警戒されていたファナック・ショックにはひとまず至らなかったものの、朝方に1ドル=112円台を回復していた為替市場では、じりじりと円高方向に振れていることもあり、それに伴って上値も重くなってきている。国内では異例の10連休を控えているほか、本日は引け後に任天堂、明日26日はソニーや村田製作所<6981>とハイテク系を中心に決算が相次ぐことからも、本格化する企業決算の動向を見極めたいとの向きも根強い。

今週の日経平均は5日移動平均線レベルでの推移を継続しているが、22400円近辺は昨年5月から約5カ月間もみ合ったボックス相場の中心であり、戻り売りの圧力も強いゾーンに当たる。前場中ごろから開始された上海総合指数をはじめとしたアジア市場の動向もさえないなかで、この水準を上抜けるには新規の材料が乏しいとみられる。日経平均が底堅さと同時に上値の重さも意識されるなか、個人投資家などの短期資金は東証1部の中小型株やマザーズ・ジャスダックといった新興市場へと向かいやすくなろう。


■ドル・円は下げ渋り、日銀の緩和維持に期待感

25日午前の東京市場でドル・円は下げ渋り。前日の取引で大幅高となった反動による調整で111円台に値を下げたが、日銀の緩和政策維持への期待感で円売りが続いた。

ドル・円は、前日の海外市場でユーロ売りなどの影響で一時112円40銭まで上昇。しかし、大幅高の反動でその後は失速。上海総合指数の軟調スタートなどを受け、ドルは一時111円80銭台に軟化。仲値時点では国内勢のドル売りもやや多く見られた。ドル・円はその後112円に付近に戻す展開に。

ランチタイムの日経平均先物はプラス圏で推移しており、日銀の緩和政策維持を背景に日本株高を見込んだ円売りが観測される。ただ、上海総合指数や米株式先物の軟調地合いで、ドルは目先も112付近から高値では売りが強まりそうだ。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は111円85銭から112円24銭、ユーロ・円は124円90銭から125円24銭、ユーロ・ドルは1.1145ドルから1.1159ドルで推移した。


■後場のチェック銘柄

バリューコマース<2491>環境管理センター<4657>など、3銘柄がストップ高

※一時ストップ高・安(気配値)を含みます

・値上がり寄与トップは、花王<4452>、同2位は中外製薬<4519>


■経済指標・要人発言

【要人発言】

・トランプ米大統領
「失業率は過去最低水準」
「米中貿易協議は前進、うまくいっている」
「株式相場は再び史上最高値を更新した」

・財務省
「麻生財務相とムニューシン米財務長官がワシントンで25日に会談」
「現地時間午後4時をめどに麻生財務相が会見」

【経済指標】

カナダ中銀:政策金利(翌日物貸出金利)を1.75%に据え置き決定


<国内>
・日銀金融政策決定会合(最終日)
・日銀が「経済・物価情勢の展望」発表
・15:30 黒田日銀総裁会見

<海外>
・日EU首脳会談
・豪、NZ休場(アンザックデー)


<HH>
配信元: フィスコ

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