皆が警戒している時は「得てして崩れない」…!?

著者:武市佳史
投稿:2019/04/24 10:27

◆“ドル買い”顕著だが、“円買い”も根強い…

※ご注意:予想期間は4月25日と表示されていますが、本日(4月24日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“100円近く”下落した日経平均に引っ張られたドル円は、一時“111.653円”へと値を落とす場面が見られました。
しかし“1110.80-50円のドル買いオーダー”は厚く、日経平均が売り一巡⇒反発に転じたこともあり、東京タイム終盤には“全ての下げ幅”を吐き出しました。
そして堅調な株価(NYダウは年初来高値更新/ナスダック・S&P500は史上最高値更新)、そして好調な米新築住宅販売件数(2017年11月来の69.2万件)に引っ張られたNYタイムには“112.031円”へと上値を伸ばしました。

もっとも“112円超のドル売りオーダー”も厚く、再び111円後半へと押し戻されました。
“ドル買い”は顕著ではありましたが、クロス円通貨下落に伴った“円買い”も根強く、大きく動意づくことはありませんでした。

◆“巻き戻し”が上値を押さえる展開が想定されるが…?

流動性が回帰したこともあり、昨日は“わずか10pips程度”しか動かなかった先週末&今週初のようなことはありませんでした。
しかし「一進一退」の状況は続いており、「方向感は定まっていない」も依然として継続しています。

もちろん『10連休』を鑑みれば、高水準で積み上がる“円売りポジションの巻き戻し”が上値を押さえる展開を想定せざるを得ないのは事実です。
しかし皆が警戒している時は「得てして崩れない」という可能性が高く、それでいて『株価堅調』を鑑みれば“ドル買い”と共に“リスク選好⇒円売り”も期待されるところです。
さらに「イラン禁輸」が現在は“リスク回避⇒円買い”を後押ししている面がありますが、昨日も記したように“金利上昇⇒ドル買い”を促す要因の一つであるのも、また事実です。

明日以降のイベント(日銀会合/日米財務相会談/日米首脳会談/米GDP等)を鑑みれば、本日も「大きな動意は微妙」といわざるを得ないかもしれません。
それでも「大きく崩れるは期待薄」と見て、昨日のように押す局面あれば、やはり「買い拾うチャンス」と捉えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:112.853(18/12/18高値)
上値4:112.660(18/12/19-20高値、50月移動平均線)
上値3:112.508(+2σ)
上値2:111.161(4/17高値)
上値1:112.062(4/18高値、4/23高値、+1σ、大台)
前営業日終値:111.865(日足・一目均衡表転換線、200週移動平均線、週足・一目均衡表先行スパン上限)
下値1:111.653(4/23安値、4/10~4/17の38.2%押し水準、ピボット1stサポート)
下値2:111.585(4/12安値、20日移動平均線)
下値3:111.501(4/10~4/17の50%押し、200日移動平均線、ピボット2ndサポート)
下値4:111.345(4/10~4/17の61.8%押し、ピボットローブレイクアウト)
下値5:111.223(3/25~4/17の38.2%押し、日足・一目均衡表先行スパン上限、50日移動平均線、50週移動平均線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:21 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想