小幅ながら4日続伸となりましたが

著者:斉藤紀彦
投稿:2019/02/21 19:53

引き続き警戒すべき水準にはあると思います

日経平均は+32円高の21464円と4日続伸しました。

朝方は、利益確定売りで軟調に推移しましたが、前場取引終了後にロイター通信が米中貿易交渉で、技術移転、知的財産権、サービス、為替、農業、非関税障壁の6つの覚書が準備されていると報道したことから、合意に向けて歩み寄っていると受け止められてプラス転換しました。

高値では+121円高の21553円と12月17日以来約2ヶ月ぶりに21500円台を回復しましたが、大引けにかけては戻り待ちの売りに押されて上げ幅を縮小しました。

昨晩公表された1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、参加者の大半が資産縮小の早期停止を示唆した一方、経済動向によっては年内の利上げを適切とする参加者もいました。

これまでの株価上昇は米利上げ停止観測に支えられた側面があったため、これを受けて利益確定売りを進める投資家が増えた格好にもなりました。

東証1部の売買代金は2兆2414億円、騰落銘柄数は値上がり1029銘柄、値下がり1000銘柄、日経225採用銘柄では値上がり110銘柄、値下がり109銘柄でした。

バイオ・医薬品関連株がけん引して日経ジャスダック平均、東証マザーズ指数は4日続伸しました。

日経平均のテクニカル指標は、おおかたが高値圏を示唆する状況が続いています。

きょうも薄商いが続くなか、終値ではボリンジャーバンドの+2σ(今日現在:21430円)を上回って戻り高値を更新しました。

22日まで開かれる米中閣僚級貿易協議に対する期待感を背景になかなか下落に転じないことから売り方の一部は買い戻しに動いているところもあると思います。

ただやはりすでに調整がいつ始まってもおかしくない水準までは来ていると思いますので、引き続き目先は段階的に売り上がっておく方がいいと思います。

もしこの水準から下がらないと、最後に売り方の買い戻しで一段高したあとに下落に転じる可能性も出てきていますが、現状ではそちらの可能性よりもすでに超目先の天井圏にあるとの可能性の方を警戒した方がいいと思います。
斉藤紀彦
ザイナスパートナー株式会社 代表取締役社長
配信元: 達人の予想