■要約
ネクシィーズグループ<4346>は、「新しい価値を広げ、ワクワクする未来を。」を企業理念とし、企画力とコンサルティング営業を武器に、主力の省エネ商材や電子雑誌など様々な商品・サービスを提供する成長企業である。創業当初からデジタル商材の販売で業容を拡大し、2002年には大証ナスダック・ジャパン市場に上場、2004年には東証及び大証1部上場を果たす。現在の主力は、2012年に開始したLED照明を始めとする省エネ商材を、初期投資オール0円で導入できるサービス「ネクシィーズ・ゼロシリーズ」を提供するエネルギー環境関連事業である。
1. 事業概要
LED照明などの省エネ商材を提供する「ネクシィーズ・ゼロシリーズ」は、「日本の電気代を下げる」をスローガンに2013年9月期にスタートし、約6年で売上高13,900百万円(2018年9月期)に達し、同社の代名詞となった。約300万社の国内企業のうちLED照明未導入企業は約70%、約217万社(2017年)存在し、潜在市場は大きい。同社による導入率は約1%であるが、業界No.1の地位を確立している。セールスポイントは初期費用をゼロとする画期的なレンタル方式。創業以来の様々な事業を通じつながりのある飲食店に加え、現在では美容、小売、サービスなど多様な業種の店舗やオフィス、工場等に普及する。現在では営業人員388名(2018年9月期末)体制となり、強みである企画力とコンサルティング営業が全国11拠点で発揮されている。LED照明以外の商材(業務用冷蔵庫、業務用空調など)の同スキームでの導入も好調に推移しており、売上高の34.6%を占めるまでになっている。割安なネクシィーズ電力を加え提案の幅は広がっている。
2. 業績動向
2018年9月期の連結業績は、売上高は前期比5.1%増の16,873百万円、営業利益は同6.4%減の1,924百万円、経常利益は同14.4%減の1,941百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同8.3%増の1,913百万円になり、5期連続の増収及び前期並みの高い営業利益を確保した。売上面では、(株)ハクビ売却の2,065百万円の減収要因があるものの、それを上回るエネルギー環境関連事業の好調により、全社として増収となった。連結子会社のブランジスタ<6176>も9期連続増収と好調だ。利益面ではエネルギー環境関連事業が大きく伸長。電子メディア事業での広告投資の影響で、全社としては営業減益となったが、依然として高い利益水準を維持。親会社株主に帰属する当期純利益が一転して増益となったのは、ハクビ売却に伴う特別利益685百万円の影響である。
2019年9月期の連結業績予想は、売上高で前期比9.6%増の18,500百万円、営業利益で同3.9%増の2,000百万円と6期連続増収と営業増益を予想する。売上高に関しては、主力のエネルギー環境関連事業が高成長、電子メディア事業も堅調な推移を見込む。新規事業の「セルフエステ事業」は、店舗展開が2019年の半ばからとなる予想であり、2019年9月期の業績寄与は多少の影響があると見込んでいる。営業利益に関しては、売上高営業利益率10.8%と依然として2桁を維持するものの、伸びは抑え気味である。この理由としては、エネルギー環境関連事業において営業人員の拡大及び営業拠点の移転・増床による販管費増(889百万円増)を織り込んでいるためである。弊社では、得意分野に経営資源を集中する戦略であること、潜在市場が大きいことなどを勘案し、2019年9月期の先行投資は中期的に大きな成果につながる可能性が高いと評価する。
3. 成長戦略
同社は定額制セルフエステスタジオ「BODY ARCHI(ボディアーキ)」業態を開発し、2018年11月15日に1号店として表参道店をグランドオープンした。「BODY ARCHI」のブランドプロデューサーとして、「ローソン Uchi café Sweets」や「ミラノ万博」、「渋谷ヒカリエレストラン」などのブランディングを手掛けてきた柴田陽子(しばたようこ)氏を起用。2019年半ばからFC展開を開始する予定であり、FC事業者は「ネクシィーズ・ゼロシリーズ」の仕組みを活用することで、初期投資をかけずに事業をスタートすることができる。今後3年間にFC店も含めて全国100店舗を目指しており、第3の事業の柱にしたい考えだ。
4. 株主還元策
同社は株主還元策として配当を実施している。成長のための投資と株主への適切な利益還元をバランス良く行う方針である。2018年9月期の1株当たり配当金は30円(前期比5円増配)、配当性向19.8%と、4年連続の増配となった。2019年9月期の配当は大幅な上昇が期待される。1株当たり配当金は年40円(前期比10円増配、中間20円、期末20円)、配当性向は33.8%(前期比14.0ポイント増)を予想する。株主還元の一環として、自社株式消却及び自社株買いも積極的に行う。
■Key Points
・「ネクシィーズ・ゼロシリーズ」が好調維持。ビジネスモデルは独自の商材付きファイナンス
・2018年9月期は子会社の売却による減収を好調なエネルギー環境関連事業が補い5期連続増収
・エステ&フィットネス市場へ参入。画期的な定額制セルフエステスタジオ「BODY ARCHI」のFC展開を開始
・2019年9月期は年40円(前期比10円増)、配当性向33.8%(前期比14.0ポイント増)と大幅増配を予想。自社株買いにも積極的
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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ネクシィーズグループ<4346>は、「新しい価値を広げ、ワクワクする未来を。」を企業理念とし、企画力とコンサルティング営業を武器に、主力の省エネ商材や電子雑誌など様々な商品・サービスを提供する成長企業である。創業当初からデジタル商材の販売で業容を拡大し、2002年には大証ナスダック・ジャパン市場に上場、2004年には東証及び大証1部上場を果たす。現在の主力は、2012年に開始したLED照明を始めとする省エネ商材を、初期投資オール0円で導入できるサービス「ネクシィーズ・ゼロシリーズ」を提供するエネルギー環境関連事業である。
1. 事業概要
LED照明などの省エネ商材を提供する「ネクシィーズ・ゼロシリーズ」は、「日本の電気代を下げる」をスローガンに2013年9月期にスタートし、約6年で売上高13,900百万円(2018年9月期)に達し、同社の代名詞となった。約300万社の国内企業のうちLED照明未導入企業は約70%、約217万社(2017年)存在し、潜在市場は大きい。同社による導入率は約1%であるが、業界No.1の地位を確立している。セールスポイントは初期費用をゼロとする画期的なレンタル方式。創業以来の様々な事業を通じつながりのある飲食店に加え、現在では美容、小売、サービスなど多様な業種の店舗やオフィス、工場等に普及する。現在では営業人員388名(2018年9月期末)体制となり、強みである企画力とコンサルティング営業が全国11拠点で発揮されている。LED照明以外の商材(業務用冷蔵庫、業務用空調など)の同スキームでの導入も好調に推移しており、売上高の34.6%を占めるまでになっている。割安なネクシィーズ電力を加え提案の幅は広がっている。
2. 業績動向
2018年9月期の連結業績は、売上高は前期比5.1%増の16,873百万円、営業利益は同6.4%減の1,924百万円、経常利益は同14.4%減の1,941百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同8.3%増の1,913百万円になり、5期連続の増収及び前期並みの高い営業利益を確保した。売上面では、(株)ハクビ売却の2,065百万円の減収要因があるものの、それを上回るエネルギー環境関連事業の好調により、全社として増収となった。連結子会社のブランジスタ<6176>も9期連続増収と好調だ。利益面ではエネルギー環境関連事業が大きく伸長。電子メディア事業での広告投資の影響で、全社としては営業減益となったが、依然として高い利益水準を維持。親会社株主に帰属する当期純利益が一転して増益となったのは、ハクビ売却に伴う特別利益685百万円の影響である。
2019年9月期の連結業績予想は、売上高で前期比9.6%増の18,500百万円、営業利益で同3.9%増の2,000百万円と6期連続増収と営業増益を予想する。売上高に関しては、主力のエネルギー環境関連事業が高成長、電子メディア事業も堅調な推移を見込む。新規事業の「セルフエステ事業」は、店舗展開が2019年の半ばからとなる予想であり、2019年9月期の業績寄与は多少の影響があると見込んでいる。営業利益に関しては、売上高営業利益率10.8%と依然として2桁を維持するものの、伸びは抑え気味である。この理由としては、エネルギー環境関連事業において営業人員の拡大及び営業拠点の移転・増床による販管費増(889百万円増)を織り込んでいるためである。弊社では、得意分野に経営資源を集中する戦略であること、潜在市場が大きいことなどを勘案し、2019年9月期の先行投資は中期的に大きな成果につながる可能性が高いと評価する。
3. 成長戦略
同社は定額制セルフエステスタジオ「BODY ARCHI(ボディアーキ)」業態を開発し、2018年11月15日に1号店として表参道店をグランドオープンした。「BODY ARCHI」のブランドプロデューサーとして、「ローソン Uchi café Sweets」や「ミラノ万博」、「渋谷ヒカリエレストラン」などのブランディングを手掛けてきた柴田陽子(しばたようこ)氏を起用。2019年半ばからFC展開を開始する予定であり、FC事業者は「ネクシィーズ・ゼロシリーズ」の仕組みを活用することで、初期投資をかけずに事業をスタートすることができる。今後3年間にFC店も含めて全国100店舗を目指しており、第3の事業の柱にしたい考えだ。
4. 株主還元策
同社は株主還元策として配当を実施している。成長のための投資と株主への適切な利益還元をバランス良く行う方針である。2018年9月期の1株当たり配当金は30円(前期比5円増配)、配当性向19.8%と、4年連続の増配となった。2019年9月期の配当は大幅な上昇が期待される。1株当たり配当金は年40円(前期比10円増配、中間20円、期末20円)、配当性向は33.8%(前期比14.0ポイント増)を予想する。株主還元の一環として、自社株式消却及び自社株買いも積極的に行う。
■Key Points
・「ネクシィーズ・ゼロシリーズ」が好調維持。ビジネスモデルは独自の商材付きファイナンス
・2018年9月期は子会社の売却による減収を好調なエネルギー環境関連事業が補い5期連続増収
・エステ&フィットネス市場へ参入。画期的な定額制セルフエステスタジオ「BODY ARCHI」のFC展開を開始
・2019年9月期は年40円(前期比10円増)、配当性向33.8%(前期比14.0ポイント増)と大幅増配を予想。自社株買いにも積極的
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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