明確に“分水嶺(スタート地点)”を越え切れるか…?

著者:武市佳史
投稿:2019/01/07 10:41

◆リスク回避姿勢後退 - 巻き戻し優勢

※ご注意:予想期間は1月8日と表示されていますが、本日(1月7日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


とりあえず落ち着いたか…?

「中国預金準備率の引き下げ&追加減税」は、上海株急反発を促しました。
そして「強い米雇用統計(非農業部門雇用者数は+31.2万人、平均時給は前年比+3.2%)」「パウエルFRB議長発言(利上げは急がない)」は、
NYダウを一時830ドル超の急反発(終値は746ドル高)、一時2018年1月来水準に低下(2.54%)していた米10年国債利回りを2.67%台へと上昇させました。
リスク回避姿勢後退に押される形で、ドル円も“108.590円”まで巻き戻されています。

◆ただ“次なる材料を探る”へテーマが移行しやすい時間帯…?

こうなると次なるポイントは、先週末に記した「“フラッシュ・クラッシュのスタート地点(108.50-60円)”を明確に越え切ることができるか?」に移った可能性が指摘されるところです。
前記雇用統計で“米景気失速懸念”は和らいでいるものの、“巻き戻し”から“次なる材料を探る”へとテーマが移行しやすい時間帯に入ったと見られるからです。
特に本日からは、実際に次官級の米中通商協議も行われる予定(7-8日)となっています。

明確に越え切ることができれば、仮に“109円ライン”で押さえられたとしても、“110円の大台回復”に向けて再始動する展開が期待されるところです。
一方で明確に越え切れなければ、当該108円台にて“神経質な揺れ動き”を強いられ、前記“次なる材料待ち”となってもおかしくありません。
日経平均を含む株価動向を睨みつつ、「“フラッシュ・クラッシュのスタート地点(108.50-60円)”を明確に越え切ることができるか?」を、期待をもって確認したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:109.453(日足・一目均衡表基準線)
上値4:109.278(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:108.994(12/26~1/3の61.8%戻し、大台)
上値2:108.831(1/3高値、ピボット1sレジスタンス)
上値1:108.590(1/4高値、フラッシュ・クラッシュのスタート上限)
前営業日終値:108.493(フラッシュ・クラッシュのスタート下限)
下値1:108.248(日足・一目均衡表転換線)
下値2:108.000(大台)
下値3:107.805(ピボット1stサポート)
下値4:107.510(1/4安値)
下値5:107.253(1/3~1/4の38.2%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:33 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想