リスクオンの動き

著者:YEN蔵
投稿:2019/01/07 01:15

米雇用統計は予想を大きく上回る

4日はさまざまな材料が株価の上昇、円売りの材料となりました。
アジア時間に出た米中次官級協議。中国人民銀行は預金準備率を2段階にわたり1%引き下げる決定をしました。15日に0.5%、25日に0.5%引き下げます。
今回の措置で1165億億ドルの資金供給に相当します。
過去1年間で5回の引き下げを行っており、今回は最大の引き下げで市場予想の上限となります。週明けの中国株の動きが注目されます。

米雇用統計は、非農業部門雇用者数が31.2万人となり、予想の18万ほどを大きく上回りました。
時間当たり賃金も前月比0.4%と予想の0.3%を上回り前年比でも3.2%と伸びました。失業率は3.9%に上昇しましたが総じて堅調の数字となりました。

米雇用統計後に円安・株高の流れとなりましたが、決定打になったのはパウエルFRB議長のコメントでした。イエレン、バーナンキ元FRB議長との討論会でインフレ率が落ち着いている中でFRBは忍耐強く臨むとともに経済が堅調であっても市場のリスクに対して敏感に対応するとの考えを示しました。

利上げは規定路線ではなく柔軟に対応すると述べ、来年の利上げ停止の可能性にも言及しました。
また柔軟に対応する中にはバランスシートの縮小に関しても当てはまるとのこと。これは市場が期待するものに十分こたえるもの
となり、このことが株価の上昇と円安の流れを加速させました。

日経平均先物は20,190円まで上昇しましが、22,000円付近がレジスタンスになっています。ここを上抜けできれば21,000円付近まで反発するのではないかと見ています。

そのような動きになればドル円も110円付近まで上昇すると思われます。
これで完全に底打ちしたかどうかはまだ分かりませんが、短期的に底打ちし上値を試す動きになると思われます。
YEN蔵
株式会社ADVANCE代表取締役
配信元: 達人の予想