日経平均は9ヶ月ぶりの安値で終わりましたが

著者:斉藤紀彦
投稿:2018/12/18 20:07

やっと買い下がりを開始していい水準に来たと思います

日経平均は-391円安の21115円と大幅反落しました。

朝方は、世界景気の減速懸念から欧米株が下落した流れを受けて安く始まると、円高ドル安も重しとなって大幅安となりましたが、米国株時間外取引の上昇などから前場後半にかけては下げ渋りました。

その後は、上昇に転じた上海株が再び下落転換したことなどから前引けにかけて上値が重くなると、後場はさらに下げ幅を拡大し、安値では-405円安の21101円まで下落しました。

大引けにかけては戻りが鈍く安値圏で推移すると東証業種別株価指数は全33業種が値下がりし、TOPIXは11日の年初来安値1575.31ポイントを1週間ぶりに更新して 、日経平均は3月28日以来、約9ヶ月ぶりの安値で終わりました。

中国の改革開放40周年記念式典で、習近平国家主席が産業政策「中国製造2025」の見直しや景気刺激策に言及するのではとの思惑から前場は下げ渋る場面がありましたが、演説ではそうした内容に触れられなかったため、大引けにかけて失望売りの勢いが増しました。

東証1部の売買代金は2兆5098億円、騰落銘柄数は値上がり132銘柄、値下がり1982銘柄、日経225採用銘柄では値上がり24銘柄、値下がり198銘柄でした。

投資家心理の悪化で、日経ジャスダック平均、東証マザーズ指数はともに大幅3日続落しています。

日経平均のテクニカル指標は、底値圏を示唆するものが増えてきました。

FOMC待ちで積極的な買いが手控えらるなか、日経平均は約9ヶ月ぶりの安値で終わり、TOPIX、JPX400は年初来安値を更新しています。

投資家心理の悪化が顕著なのは、医薬品などディフェンシブ銘柄まで売られて全33業種が下落したことにも表れていますが、新興市場にも大きく波及しています。

ただ一方で18日現在の売買代金に占めるカラ売り(信用取引を含む)の割合を示すカラ売り比率は、46.3%と高水準になっています。

さらに下落する場面があれば段階的に買っていっていい水準に来たと思います。

11日の安値21062円や10月26日安値20971円、これらを割り込んだときに下落に勢いがつく場面などあれば、余裕を持った段階的な買い下がりでいいと思います。
斉藤紀彦
ザイナスパートナー株式会社 代表取締役社長
配信元: 達人の予想