株安でドル円は売り優勢 ドルは買えないが、ユーロは更に買えない=NY為替前半

著者:MINKABU PRESS
投稿:2018/12/15 03:32

 きょうのNY為替市場でドル円は売りが優勢となっている。序盤は上値追いの動きも見られていたが、ロンドンフィキシングにかけて売りが優勢となっている。特段の材料は見当たらないが、米株が大幅安となるなど、各国で株式市場が下落しており、リスク回避の雰囲気がドル円を圧迫している模様。

 株式市場の下げにつては、この日発表の中国とユーロ圏の指標が予想を下回ったことから、世界経済の先行き懸念が強まり、ネガティブな反応を見せているようだ。ただ、肝心の米経済のほうは、この日発表の11月の米小売売上高が予想を上回るなど、年末商戦の消費は好調だった模様。

 ただ、113円台前半に来ている21日線の上はしっかりと維持しており底堅さは堅持している。

 ユーロはNY時間に入って下げ渋る動きを見せているものの上値は依然として重い。ユーロドルは一時1.1270ドル近辺まで下落し、ユーロ円は128円ちょうどをうかがう動きも見せていた。

 この日発表のドイツやユーロ圏のPMIが予想を下回ったことからユーロ圏経済への懸念が強まっている。きのう、ECBのドラギ総裁は理事会後の会見で、先行きに慎重姿勢を滲ませていた。総裁はきょう、欧州首脳会談に参加しており、経済状態に対して前日同様に、「以前よりも成長が鈍化しており警戒感が増している」と述べていたようだ。「ECBは今年、成長見通しを3回下方修正した」とも言及していた模様。

 ドルは買えないが、ユーロは更に買えない展開が続いている。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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