“下値の堅さ再確認⇒戻り優勢”となってもおかしくない…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/12/10 10:58

“下値の堅さ再確認⇒戻り優勢”となってもおかしくない…!?

◆“上値の重さ”健在も、“下値の堅さ”も相変わらず…

※ご注意:予想期間は12月11日と表示されていますが、本日(12月10日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


日経平均/欧州株が反発となり、“株安の連鎖”は一応止まりました。
しかし“米中貿易摩擦拡大”への思惑は根強く、NYダウは再び大幅安を演じています。
このためリスク回避志向そのものは止まっておらず、“上値の重さ”は相変わらずでした。
米雇用統計が弱め(+20万人予想を下回る+15.5万人)となったことも、こうした動きを後押しした印象があります。

一方、ドル円は“前日安値(112.235円)”を窺う動きには発展しておらず、“下値の堅さ”も相変わらずでした。
“112.50円”に設定されたオプションが“行使期限切れ”を迎えた後も動き方は変わらず、“前日終値(112.650円)とほぼ横ばい”で先週末の取引を終えています。


◆テクニカル的に“フォールス・ブレイクアウト”の可能性…!?

“NYダウ大幅安⇒リスク回避志向は継続”となれば、週明けの日経平均も“大幅安が避けられない”と考えるのが自然です。
特にBrexitを巡る“英議会の承認投票”を明日に控えるスケジュール感を考えれば、ドル円も“上値が重い”と見るのが自然ということになります。
ただしNYダウ急落/米国債利回り低下、さらには弱い米雇用統計まで重なったにもかかわらず、“下値が限定的”だったのも、また事実です。

長い下髭を伴う先週6日のローソク足は、テクニカル的には“フォールス・ブレイクアウト”の可能性を示しています。
「過去の安値(今回の場合は11/20安値:112.304円)”をブレイクしたものの、下落が加速することなく、すぐさま値を戻した」形状のことを指します。
こういう形状になると「 一旦ブレイクされた抵抗ライン(ゾーン)が“改めて意識”されやすく、ブレイクに追随するのが目的の売買に修正が入りやすい」というものです。
同水準には、4月に突破して以降、下値を支え続けている“100日移動平均線(本日は112.267円)”も展開しています。

“イメージは下方向”という状況ですので、楽観ができないのは事実です。
しかし同水準を明確に、さらに早期にブレイクできなければ、“下値の堅さを再確認⇒戻り優勢”となっても何ら不思議ではありません。
“過度な悲観”は手控え、そして底割れした際の“リスク管理”を行いながらも、粛々と“押し目買い”に徹したいところです。


◆ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:113.239(12/5-6高値、20日移動平均線、日足・一目均衡表基準線、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:113.134(11/28~12/6の50%戻し、日足・一目均衡表転換線、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:113.024(50日移動平均線、大台)
上値2:112.925(12/7高値、200週移動平均線、11/28~12/6の38.2%戻し水準、ピボット1sレジスタンス)
上値1:112.790(週足・一目均衡表転換線)
前営業日終値:112.673(日足・一目均衡表先行スパン上限)
下値1:112.555(12/7安値、ピボット1stサポート)
下値2:112.463(日足・一目均衡表先行スパン下限)
下値3:112.348(ピボット2ndサポート)
下値4:112.235(12/6安値、100日移動平均線、20週移動平均線)
下値5:112.140(ピボットローブレイクアウト)


※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:38 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想