■10月9日(火)■調整後、株式市場は上昇速度が上がる可能性がある

著者:堀篤
投稿:2018/10/09 08:46

まだ安値を更新してくる可能性はあるが、現状で、上昇基調を覆す材料は無いと言って良いだろう。

日経平均株価が週末にかけて調整し、安値は23730.19円をつけた。
その背景は、米国市場での長期金利の上昇だが、基本的には、健全な調整だと言えるだろう。
9月7日から10月2日までの上昇を基本に取ると、3分の1オシの価格は23689.65円、2分の1オシは23310.46円、直近のマド埋めの価格は、23481.53円だ。
それぞれの水準にまで達していないので、まだ安値を更新してくる可能性はあるが、現状で、上昇基調を覆す材料は無いと言って良いだろう。
日経平均は、下値目処が集中する23000円台半ばから反発し、24448.02円の高値を目指すことが予想される。
外国人投資家の買いと日銀のETF買いが、相場の心理的な支えにもなっており、循環物色的な動きは、続いている。できれば、週初にはあまり反発せず、一度、23600円程度まで下落すれば、その方が反発は強いだろう。

一方、先週末の米国市場の急落を無視してよいかというと、そうでもない。米国の金利上昇は、新興国の経済を圧迫する恐れがある。イタリアの財政問題も含め、いくつかの国家財政に対するリスクが、株式市場を慎重にさせる場面が、今後もありそうだ。
新興国の市場動向、欧州、特にイタリアの情勢には注意が必要だが、これらの国々が適切な経済政策を発表すれば、株式市場の上昇速度は上がるだろう。
一方で、インフレ懸念を心配する声もあるが、米国の失業率は低いものの、時給などの指標はまだそれほど警戒すべき状況にはない。また、日本ではインフレの懸念はほとんど予兆を感じることは無いだろう。インフレ懸念で米国市場が調整するのであれば、東京市場が米国市場に対するこれまでの出遅れを取り戻すチャンスになる。

物色対象としては、まず補正予算関連だろう。来年の消費税増税について、菅官房長官がその実行について再度発言していることから、それに対応する強力な景気対策を、政府が進める可能性は高く、24日から始まる国会で提出されるだろう第一次補正予算に対する期待感は高まっている。災害対策関連を始め、建設土木等の関連が買われる局面もあるだろう。
米国市場を見ていると、ハイテク関連、IT関連は、少し買い辛い展開となっている。バリュエーションの高さが敬遠される展開が考えられるからだが、相場全体を見れば、循環物色の流れは変わらず、逆に、これらのハイテク関連の押し目を狙うことは一つの戦略となるだろう。
また、 一方で、11月のブラックフライデーという消費イベントが近づいているが、中国の消費に若干の不安を感じている中国ウォッチャーは多い。消費関連の銘柄は、短期的な狙いで臨むべきかもしれない。
堀篤
日本マネジコ、東京スコットマネジメント代表取締役
配信元: 達人の予想