リスク選好一服でドル円が112.50円付近まで利益確定売り=NY為替後半

著者:MINKABU PRESS
投稿:2018/09/22 05:00
 NY時間の終盤に入ってドル円は売り優勢となっており、再び112.50円水準を試す動きが出ている。ナスダックが8000ポイントを割り込んでおり、ドル円の利益確定売りを誘っているようだ。

 きょうのNY為替市場でドル円は序盤こそ買い優勢で始まったものの次第に上値は重くなった。メイ英首相の発言でポンドが急落し、ユーロも連れ安。欧州通貨の下げがドル買いを誘発しドル円も上昇した格好。ドル円は112.80円付近まで上昇し東京時間の高値をうかがう展開が見られていたが、次第に上値が重くなっている。米株式市場でナスダック、債券市場で米10年債利回りが一時下げに転じ、ドル円の利益確定売りを誘ったようだ。

 今週はトランプ大統領が中国への制裁関税の発動を発表するなど、米中貿易問題のエスカレートが伝えられていたが、市場は意外なほど落ち着いた反応を見せ、株式市場を中心にリスク選好の動きが強まっていた。ドル円も円安の動きから買いが強まったが、週末ということもありポジション調整が出ているのかもしれない。現在は112.50円付近で推移しているが、この水準を維持して終えられるか注目される。

 きょうはポンド売りが加速し、ポンド円は147円ちょうど付近まで下げる場面も見られた。きょうの東京時間にはリスク選好の雰囲気から一時149.70円付近まで上昇し、心理的節目の150円をうかがう展開も見せていたが、そこから200ポイント超急落した格好。きょうの下げで200日線を再び下回っている。

 原因はメイ英首相の発言。首相は「英国とEUは袋小路に陥っているが、EU離脱は悪い合意ならない方がましだ」と述べている。このところ、EU離脱交渉に関しては楽観的な見方が市場に広がりポンドの買い戻しを誘発していたが、メイ首相の発言からすれば、依然として情勢は不透明なようだ。もし、合意なき離脱という最悪のシナリオとなれば、ポンドは20%下落するとのシナリオもある。

 ポンドの動きにユーロも連れ安し、ユーロ円は132円台前半に下落。ユーロドルも1.1735ドル付近まで一時下落している。ロンドン時間に発表になっていたユーロ圏製造業PMIが予想を下回っていたこともユーロの利益確定売りを誘発。

 きょうは全般的にリスク選好の動きが一服といった雰囲気だ。

minkabu PRESS編集部 野沢卓美

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