先週は、アメリカ株高、円安基調を受け、22000~22500円のレンジを上放れ
先週の予測では、200日移動平均線が目先の上値として22400円水準に横たわっており、上値抵抗ラインとして意識されることから、22000~22400円水準のレンジを基本に、米中貿易協議やトルコの動向に注目としました。基本的に、こう着状態が続く中で、海外要因に影響を受ける展開となりますが、プラスの方向に動く要因としては、米中貿易摩擦が落ち着き、アメリカの利上げが22日のFOMC議事録の公開内容や、24日パウエルFRB議長の講演内容で示唆されるとドル買い・株買いとなって、日経平均もそれなりに戻りを試すことになるとしました。それなりの上昇というのは売買代金が相場の好調さを示す2兆円を6日連続で割り込んでいるため、大きく戻りを試すのは現状では難しいからです。
結果的には、米中貿易摩擦の落ち着きと、アメリカ株式の堅調な動き、そして円の弱含みを受けて、23日(木)には、想定したレンジの上限である22400円水準の22410円まで上昇。さらに週末の24日(金)には9月の利上げ期待から為替が1ドル=111円台前半までの円安進行となったことで、△190円の22601円とレンジを大きく上回りました。トルコリラショックの時には、日経平均は200日移動平均線、75日移動平均線、25日移動平均線を一気に割り込みましたが、この日に回復してきました。但し、売買代金は6日連続で相場の好調さを示す基準の2兆円を下回っているため、このままでは戻りには限界があることになります。
8月20日(月)は、前週末のアメリカ株式は堅調だったものの、トルコ情勢の先行き不透明感から、円高・ドル安が重しとなり、一時▼119円の22150円まで下げ、終値は▼71円の22199円の反落となりました。
21日(火)は、前日のアメリカ株式は、3指標そろって上昇するもののトランプ大統領がFRBの利上げ継続を批判したことで、一時109円台へと円高が進み、一時▼146円の22053円まで下げました。しかし、後場になると上海株式の上昇を受けて、先物主導の買いが入り△20円の22219円と小反発しました。
22日(水)は、前日のアメリカ市場では、米中通商協議の進展期待を背景に3指標そろって4日続伸となり、為替も110円台前半の円の弱含みとなったことで、一時△170円の22390円まで上昇し、終値は△142円の22362円と続伸しました。
23日(木)は、為替が110円台後半の円安となり、上海株式も上昇したことで△48円の22410円と3日続伸するも、目先の上値抵抗ラインである22400円水準でいったん止まりました。
週末の24日(金)は、前日のアメリカ市場で9月の利上げを織り込むドル買いが進行し、1ドル=111円台前半までのドル買い・円売りとなったことで、日経平均は円安を支えに△73円の22484円で寄り付き、上海株式の上昇も支えとなって終値は△190円の22601円とほぼ高値引けの4日続伸となりました。
24日(金)のアメリカ市場は、パウエルFRB議長の議会講演では「インフレ高進リスクはほとんど見られない」との認識を示したことで、前日は111.49円まで買われていましたが、利上げ局面の終盤をにおわす発言として若干ドルが売られ111.23円で引けました。株価は米中貿易摩擦の影響を受けにくい銘柄に買いが集まり、3指標そろって上昇し、NYダウは△133ドルの25790ドルと最高値に接近し、ナスダックは△67Pの7945Pと約1ヶ月ぶり、S&Pは△17Pの2874Pと約7ヶ月ぶりに史上最高値を更新しました。
今週は、23000円水準を前に戻り一服となる可能性
今週は、先週末の24日(金)に△190円の22601円となって、200日移動平均線、75日移動平均線、25日移動平均線を一気に回復したことでテクニカル的には陽転したことで、米中貿易摩擦の影響はあるものの、まずは目先の22800円水準、ここを超えると23000円が意識される動きとなります。但し、売買代金や出来高は低水準のため、上値は限定的で、これまで跳ね返されてきた23000円水準を上にぬけていくのは、まだ難しいと思われます。あくまでも買い戻しが中心であり、戻りを試し終わると方向感のない展開が想定されます。当面は22500~23000円が基本レンジとなりそうです。
本日は、先週末のアメリカ株式が3指標そろって上昇し、ナスダックとS&Pは史上最高値更新したことで、想定以上のサポート要因となり、薄商いの中を△237円の22838円まで上昇し、終値は197円の22799円となりました。日経平均の上昇は、指数寄与度の高いファーストリテイリング、ファナック、東京エレクトロンなど、いつもの銘柄が指数を支えており、このことは逆にきっかけ次第で下落への寄与度にも貢献することになります。今のところアメリカ株式が史上最高値水準まできているためサポートされていますが、連銀の高官の中にもトランプ政権の通商政策への懸念がでており注意が必要です。
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(指標)日経平均
今週は、チャートは目先の上値の日足チャートの200日移動平均線が22400円水準であり、上値として意識されるところですが、アメリカでの米中貿易摩擦の後退や、FOMC議事録公開やパウエルFRB議長の講演で追加利上げの方向が示唆されると、アメリカ株式の上昇、為替の円安となって日経平均もある程度は戻りを試すことになるとしました。
結果的には、アメリカ株式の堅調な動きを受けて、薄商いの中を買い戻しで上昇し、8月23日(木)には、△48円の22410円と3日続伸して、200日移動平均線に到達しました。さらに週末は9月の追加利上げへの期待感が高まり、ドルが111円台前半まで買われたことで、日経平均は円安を好感し△190円の22601円で引けました。しかし、売買代金は、この日まで6日連続の2兆円割れとなっており、薄商いの中を輸出関連銘柄が上昇したことになります。
先週は、薄商いの中をアメリカ株式の堅調さと、9月利上げを先取りしたドル買い基調、さらに上海株式の上昇にサポートされて、週末の8月24日(金)は22601円となり、200日移動平均線、75日移動平均線、25日移動平均線を上回って引けたことで、テクニカル的には陽転したことになります。目先は22800円水準で、ここをぬけると23000円が意識されることになります。但し、薄商いの中の上昇ですので、本格的な戻りにつながるとは考えにくく、米中貿易摩擦やトルコとの貿易摩擦を考えると不透明感が強い相場となります。トランプ政権の通商政策が世界経済の成長を鈍化させるとの懸念が根強く、戻したあとは方向感をさぐる展開となりそうです。
(指標)NYダウ
先週の予測では、米中通商摩擦が落ち着き、FOMC議事録公開やパウエルFRB議長の講演で、追加利上げが予想の進行であることが確認できればドル高・株高の方向となるとしました。
結果的には、米中通商摩擦の進展期待を背景に買い優勢となり、週半ばまでは3指標そろって上昇し、NYダウは8月21日(火)には、25888ドルと26000ドルに接近する動きとなりました。しかし、週半ばの8月23日(木)は、米中貿易摩擦問題やトランプ政権をめぐる政治的不透明感が相場の重しとなり、NYダウは5日ぶりの反落となりました。しかし、週末の注目のパウエルFRB議長の講演が想定内であったことで買い安心が広がり、3指標そろって反発し、NYダウは△133ドルの25790ドルで引けました。
先週はFOMC議事録の内容が、パウエルFRB議長の講演から、アメリカ経済は堅調であり、今年の9月、12月の利上げの可能性が示されたことで、ドルが買われ株価は26000ドルに接近するところまできましたが、ここからは米中貿易摩擦の激化が高まれば、アメリカ経済への悪影響が懸念されており、米中通商政策の方向性がハッキリするまでは、上値は重くなる可能性があります。11月のアメリカの中間選挙までに、トランプ政権の通商政策がどうなるのか注目となります。
(指標)ドル/円
先週の予測では、FOMC議事録公開やパウエルFRB議長の講演があり、追加利上げ期待や米中貿易協議の再開で、ドルは底堅い動きになるとしましたが、新興国通貨安への警戒感は残っておりドルの上昇は限定的としました。
週始めの21日は、トランプ大統領がFRBの利上げ実施を批判したことで、ドルは一時109.78円まで売られたものの、その後のFOMC議事録の内容やFRB議長の講演で追加利上げの継続が示されたことで、111.49円までドルが買われ、週の引け値は111.23円でした。
今週は、9月の利上げ観測は強いものの、米中貿易摩擦によるアメリカ経済の下ブレが意識される可能性がでてきており、ドルの上昇は限定的となりそうです。これまでのような米利上げペースの加速の思惑は後退しており、大幅な利上げを想定したドル買いの可能性は低くなっています。110~112円のレンジの動きを想定。
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