きょうも薄商いのなか日経平均は5連騰となり、

著者:斉藤紀彦
投稿:2018/08/27 16:57

新興市場も大幅高となっています

けさは、先週末の米国株高を受けて高く始まると、その後も先物を中心に断続的な買いが入り、上海株などアジアの株式市場が軒並み上昇したことも投資家心理を下支えしました。

パウエルFRB議長がジャクソンホール会議の講演で、利上げペースを速めないと示唆したことから買い安心感が広がり、週末のナスダックとS&P500がそろって過去最高値を更新しました。

これを受けて主力輸出株や半導体関連株が上昇し、裁定買いも入って相場全体をけん引しました。

一方で、米中貿易摩擦やトルコなど新興国経済を巡る不透明感は根強いことから、休場明けのトルコ市場や週後半にかけての中国経済統計などを見極めたいとして積極的な売買を見送る動きは継続しており、売買代金は1兆8432億円と7日連続で2兆円を割り込み、2017年8月21日から29日までの7日連続以来、1年ぶりの連続記録となりました。

騰落銘柄数は値上がり1767銘柄、値下がり273銘柄、日経225採用銘柄では値上がり185銘柄、値下がり34銘柄となっています。

裁定買いの影響でファーストリテが約24円、ファナックが約16円など日経平均を押し上げました。

投資家心理の改善で、日経ジャスダック平均は4営業日続伸して約3週間ぶりの高値となり、東証マザーズ指数も大幅に4営業日続伸してほぼ半年ぶりの上昇率となりました。

日経平均のテクニカル指標は高値圏を示唆するものが着実に増えています。

先週金曜日に25日線 (今日現在:22459円)や75日線 (今日現在:22467円)を上回ったことから、先物を中心に売り方の買い戻しが進んでいますが、きょうの高値22838円ではボリンジャーバンドの+2σ(今日現在:22889円)に近づきました。

低調な取引が続いていることからも、買い戻しとそれに伴う裁定買いで買い方ペースの上昇が続いていますが、日経平均は5連騰で21日の安値からきょうの高値まで800円近い上昇となっていますので、やはり上昇があれば段階的に利益確定売りを進めるべき水準には来ていると思います。

新興市場の方もリバウンドが大きくなっている銘柄が増えてきており、これまで売られていた銘柄にも物色が広がっていますので、段階的に利益確定売りを進めるのが無難だと思います。
斉藤紀彦
ザイナスパートナー株式会社 代表取締役社長
配信元: 達人の予想