■8月27日(月)■中小型銘柄の復権と仕込み

著者:堀篤
投稿:2018/08/27 11:59

レーティング強気で、目標株価だけ下げられた銘柄をチェックしていくという方法は有効かもしれない

■ 上放れる日経平均株価

先週の日経平均株価は、ジリジリと上げつつ金曜日には、上放れた。
この動きは、新たな上昇の始まりを予感させる。
先々週に指摘した、移動平均線の集中からの上放れが、今回も実践された、ということが、投資家に自信をつけさせている。過去の慣習やデータ通りに株価が動くことが、彼らを最も安心させることだからだ。
日経平均株価は、数度の23000円の挑戦に失敗しているが、再度ここへ挑戦することになるだろう。とはいえ、23000円という壁は、本来、それほど高い抵抗ラインではない。本当に壁は24000円超のゾーンにあるはずだが、そこまではまだ距離があり、この局面でそれを恐れることは無いだろう。


■ 中小型株への物色が始まっている

先週生じた重要な変化に、中小型銘柄へのシフトがある。
小型株指標であるTOPIX smallは、先週、1.3%の上昇を演じたが、大型株TOPIX100は、0.8%の上昇に留まった。
数字にするとそれほど大きくないような差だが、実際にはこれは大きな違いだ。
この変化が明確化したのは、23日木曜日だ。
この日、TOPIX smallは0.59%上昇、TOPIX100は0.14%下落となった。
こういった変化は、ファンダメンタル的要素からも説明することは出来る。先週の米国市場では7月の耐久財受注が予想を上回ったが、株式市場は、このことによる利上げペースの上昇懸念を抑え、景気好転を評価して上昇した。またその日、NYダウよりもNASDAQ指数の上昇率が大きく、結果としてNASDAQ総合指数は最高値を更新している。これらのことから、米国市場でも、金利上昇懸念より企業業績を重視し、再び小型株への資金シフトが起きていることが想像できる。
また、日本でも日銀の緩和政策の出口を意識し、大型株、あるいは指数売買重視から、個別中小型銘柄への分散投資へ方針転換が進んでいる可能性はある。
いずれも、金利上昇の継続あるいは金融緩和の終局を意識した相場の変化が表れている。


■ 好業績出遅れ銘柄の開発方法

先週の株式市場で、詳細に株価の動向を見ていると、一つの現象が起きているように思われる。それはアナリストのレーティング発表と株価に関連した動きだ。
アナリストたちは、「レーティングは高いが、目標株価が高すぎる銘柄」に対して、レーティングはそのままにして、目標株価だけを下げ、より現実に近い株価に修正することがある。こういった動きに対して、個人投資家たちは、目標株価が下落した、という事実だけに注目して売りを浴びせる、という動きをすることがある。しかし、先週、そういった銘柄に見直し買い、あるいは信用の買戻しが入っているように思える。
そこで、目先の銘柄開発の手法として、レーティング強気で、目標株価だけ下げられた銘柄をチェックしていくという方法は有効かもしれない。
いずれにしても前回同様、好業績中小型銘柄の仕込みを急ぐべきだろう。
堀篤
日本マネジコ、東京スコットマネジメント代表取締役
配信元: 達人の予想