■8月7日(火)■保ち合いの中、期待感が伺える株式市場

著者:堀篤
投稿:2018/08/07 12:10

いまの小休止が、段階的な緊張緩和へのプロローグ

日経平均株価は、保ち合いの中にあるように見える。
その要因は、7月18日の高値22,949円に挑戦する次の機会がなかなか来ないからだ。しかし、より細かい視点に立てば、7月23日の安値よりも7月31日の安値が高く、7月26日の高値よりも8月1日の高値が高い。
そのことは、先週も指摘したように、まだ相場が上昇基調へのエネルギーを溜めていることを意味している。保ち合いに見える期間は、テクニカル的にみればあと2週間くらいは続くことになるはずだが、その前に上昇を始める可能性は高いと見る。
11月の米国中間選挙の前後に向けて、日経平均株価は24000円を目指すだろう。

貿易戦争による市場への懸念は、一旦、小休止になっている。
一方、欧州や新興国ではリスクが高まっているが、先週末の元の反発で、市場は少し安堵している。いま、最も市場リスクを予知できるのは元の動きかもしれない。
しかし、いまの小休止が、段階的な緊張緩和へのプロローグなのではないか、という期待感が、株式市場にも出始めているようだ。
その大きな要因の一つは、トランプ氏の米国内での評価の変化だろう。最近になって、トランプ氏の「政治的手腕」というものを真面目に評価しよう、という動きが出始めている。中間選挙での敗北が、トランプ氏自身の「破滅」につながりかねない、という状況から、彼が躍起になって宣伝用の政策ばかり行っている、と評価してきた人々が、いま、その見方を変えようとしている。
トランプ氏は実質的にすでに対中貿易戦争に勝利している、と評価する投資家は多い。そして、彼がそれに満足し、緊張緩和へ動けば、楽観的な見方は当たるだろう。

問題は銘柄選択だ。
業績が良く、出遅れている銘柄、という基本に返る必要がある。それさえ守る銘柄選択をすれば、近いうちにチャンスは来るはずだ。
また、今後少しの間、日経平均を見ていると理解しづらい状況が生じる可能性がある。例えば、先週末、日経平均はほぼ変わらなかったが、多くの銘柄がまとまった下落を演じた。日銀の売買方針の変更から、各機関投資家がヘッジのやり方、アービトラージの手法を変えている可能性がある。
堀篤
日本マネジコ、東京スコットマネジメント代表取締役
配信元: 達人の予想