■6月18日(月)■テーマ 新興市場と人気材料株

著者:堀篤
投稿:2018/06/18 12:39

日経平均株価は23000円を明確に抜くための準備に入る必要があり・・・

■ 米国に生まれたリセッション懸念

トランプ氏が、近時の評価で見直されてきたことによって、その行動の派手さに拍車がかかってきた。これは決して良い兆候とは言えない。
ウォールストリートは、「お調子者」を調子に乗せてしまった可能性が高い。
G7における他国首脳との駆け引きや金正恩との取引、中国との報復関税合戦など、彼はその成果の実現に躍起になっている。
一方でIMFは、米国の経済情勢、特に貯蓄率の低下に警鐘を鳴らしている。米国景気の拡大は、今のところ過度ともいえる消費に支えられており、その犠牲になっているのは貯蓄率だ。過去、深刻なリセッション前には、米国の貯蓄率は2%程度まで下落しているが、今回は2.5%にまですでに低下している。「何か」があれば、またしても米国経済のリセッションは現実になるかもしれない。
すでに米国の信用会社は消費者に対して、住宅の値上がり分を担保に借入をできると、提案をし始めており、ほんの10年前のリーマンショックのことをすっかり忘れているようにさえ思える。
こういった過度な消費行動は、中国への関税のブーメラン効果による米国産業への打撃や、その他トランプ政権が抱える様々な地雷のどれかが火を噴けば、過剰信用創造は崩壊し、深刻なリセッションを招くかもしれない。
FRBは、より慎重な金融政策の遂行をおこなわざるを得ないだろう。パウエル議長は、口では米国景気が理想的な状況にあるように語るが、政策としては慎重な利上げに終始しており、このことが、彼の悩みを表しているように見える。

■ 日本の市場は小型株や材料株に注目

米国が、こういった問題点に適切な対応を見せるまで、東京市場は踊り場にいても良いだろう。日経平均が上昇波動の中にいることについては、いまのところ賛同するが、いますぐ上昇しても、余計なしこりを作り、後の上昇の邪魔になるだけだ。
市場にもその雰囲気は醸成されるだろう。つまり、日経平均株価は23000円を明確に抜くための準備に入る必要があり、そのために一度下落するのは、致し方ないことだと言える。
ただし、その調整はそれほど深くなく、その後、NY市場との連動性が小さくなる、というのが、私の予想だ。
その間、市場で個人投資家が注目するのは、新興市場及び、低位株だろう。好業績で、貿易摩擦に関連しにくい業種で、銘柄開拓をすべきだろう。


ミリオンストック投資顧問特別アドバイザー 堀
堀篤
日本マネジコ、東京スコットマネジメント代表取締役
配信元: 達人の予想