先週は、NYダウは一服するも、為替の円安を好感し、23000円台へ接近して引ける
先週の予測では、中東情勢に注意しつつも、23000円への戻りを試す動きを想定しました。6月12日の米朝首脳会談の決定によるアジアの地政学的リスクの後退の一方で、アメリカのイラン核合意からの離脱と対イラン制裁という中東の地政学的リスクの高まりという強弱入り交じっているものの、為替はアメリカの長期利回りの上昇から円安方向にあり、日経平均は23000円のフシを試す可能性があるとしました。
結果的に、NYダウの上昇が14日(月)の24899ドルと途切れ(NYダウのチャート分析では25000ドルをアタマに一服としています)、その後は長期金利の上昇で企業収益低下への影響が懸念されて株価は下落し、米中貿易摩擦懸念の再燃もあってもみあいに入りました。これを受けて為替は1ドル=111円にタッチする動きとなるものの、NYダウが上値が重たいことで日経平均も23000円に接近するものの突破できないで終わり、週末の18日(金)は、22954円まで上昇して22930円で引けました。
14日(月)は、▼53円の22705円と利益確定売りで始まるものの先週末のNYダウが7日続伸と好調であり、時間外でのアメリカ株式の先高感を受けて反発し、△107円の22865円と3日続伸しました。トピックスは1800ポイント回復となりました。
15日(火)は前日のNYダウの8日続伸を受けて買い先行で始まるものの、直近の連騰で利益確定売り優勢となって下げに転じ、▼47円の22818円と4日ぶりに反落しました。
16日(水)には、前日のアメリカ株式が好決算や強い経済指標を受けて10年債利回りが再び大きく上昇し、6年10ヶ月ぶりの高水準になり、為替も110円台のせとなったことで今後の企業収益の低下懸念から3指標そろってマイナス(NYダウ9日ぶり反落)となったことで、日経平均は続落となりました。寄り前の国内1-3月期GDPの発表で、市場予想を下回ったことを嫌気され▼100円の22717円の続落でした。
17日(木)は、前日のアメリカ株式が3指標そろって反発したことで、日経平均も△103円の22820円で寄り付き、後場は△169円の22887円まで上昇しました。その後は上値重く△121円の22838円で引け、3日ぶりの反発となりました。
アメリカでは10年物国債の金利が3%を超える状況が続く中、中東情勢の不透明感と、それに連動する形での原油高が警戒されており、それを織り込む動きとなっています。
週末の18日(金)は、前日のアメリカ市場では、中国との通商交渉が不調に終わる可能性があり、5月のフィラデルフィア連銀製造業指数が強い結果だったことで、10年債利回りが6年10ヶ月ぶりの3.12%となり、これを嫌気して3指標小幅続落となったものの、為替が1ドル=110円台後半の円安となったことを受け△68円の22907円で寄り付き、一時△115円の22954円と23000円へ接近する動きとなりました。23000円を前にもみあい終値は△91円の22930円と続伸して引けました。
急激な円安を受けて23000円に接近する動きとなったものの売買代金、出来高は増加せず、日経平均の指数に影響を与える輸出関連株の上昇が指数をサポートしただけ、北朝鮮が米韓軍事演習を理由に韓国との閣僚会議を一方的に中止したことで米朝首脳会談が不透明になってきました。状況によっては再び北朝鮮の地政学的リスクが高まってきます。
5月18日(金)のアメリカ市場は米朝首脳会談や米中通商協議の不透明感が重しとなる中、銘柄の利益確定売り優勢となり、25000ドルを前に一服となっています、ただし、経済指標が強いことや好決算を受けて長期金利は6年10ヶ月ぶりの高水準(3.12%)となっており、為替は一時111.08円までドルが買われました。その後は地政学的リスクもあり、110.76円で引けました。シカゴの日経先物は▼90円の22840円となっていました。
強弱の材料を織り込みながら23000円水準でのもみあいを想定
今週の予測は、中東の地政学的リスクは深まっており、米中貿易交渉も中国が歩み寄る方向にあるものの具体的なものは明確でないため不透明感が残り、上値は重いものと思われます。一方で為替は円安基調にあり、先週は一時111円を突破しており、この水準が続くようだと、輸出関連株の上方修正期待がでてきます。強弱入り交じって織り込む動きとなりそうですので、フシ目の23000円をぬけても、ここをはさんだもみあいが想定されます。
3月26日の20347円の安値から、先週の5月18日(金)の22954円までの高値まで約2600円の上昇で、かつ、8週連続の陽線となっており、何かキッカケあれば一服となる可能性があります。
本日は、為替の円安基調を背景に△7円の22937円で寄り付き、一時△120円の23050円まで上昇するも上値重く、利益確定売りに抑えられ大引けは△72円の23002円となりましたが、3ヶ月半ぶりの23000円回復でした。
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(指標)日経平均
先週の予測では、相場環境はアジアの地政学的リスクは後退する一方で、アメリカのイランへの制裁発表やイスラエル大使館のエルサレム移転からの中東の地政学的リスクがあり強弱の材料が入り交じっています。一方で、チャート上は25日移動平均線が75日移動平均線を上にぬくゴールデンクロスとなっていますが、これは不確実な形の場合も多いので、もみあいながら少しづつ戻りを試す形となりそうだとしました。
結果的には、日経平均のサポート要因になっていたNYダウの上昇が5月14日(月)の8日続伸でとぎれたこともあり上値が重くなり、もみあいとなっていましたが、アメリカの長期金利が6月17日(木)に6年10ヶ月ぶりの3.12%になると、ドルが買われ一時111円台を試す動きとなったことで5月18日(金)は、一時22954円まで上昇して22930円で引けました。
今週は、中東の地政学的リスクが深まり、米中の貿易交渉も不透明さも残り、米朝首脳会談も不透明さがでてきており、又、アメリカの長期金利の上昇や原油高もあることから日経平均は23000円水準でのもみあいが想定されます。
(指標)NYダウ
先週の予測では、米中貿易摩擦の一服の反面、イランの制裁問題やイスラエル大使館のエルサレム移転で中東の地政学的リスクは深まるとし、チャートは25000ドル水準をアマタに一服するところとしました。
結果的には、好決算を背景にNYダウは5月14日(月)までは、8日続伸となり、この日は24994ドルと25000ドルまであと少しのところまで上昇し、△68ドルの24899ドルとなりました。しかし、ここで好決算と強い経済指標で長期金利が6年10ヶ月ぶりの3%を超える高水準となったことを嫌気し、▼193ドルの24706ドルと9日ぶりの反落となりました。その後ももみあいとなり週末の5月18日(金)は△1ドルの24715ドルで引けました。想定通り25000ドルをアタマに一服となりました。
今週も政治や地政学的リスクで上値の重い展開となりそうです。21日はアメリカはイラン制裁の発表があり、又、2回目の米中貿易交渉が合意したものの具体性に欠け不透明感があり、イスラエル大使館のエルサレム移転をめぐる地政学的リスク、さらに米朝首脳会談も不透明さがでてきたため上値は重い展開となりそうです。
(指標)ドル/円
先週の予測では、FRBは利上げ継続方針の一方、ヨーロッパの中央銀行は早期利上げは後退したことで、ドルが買われる方向にあるとし、そうであれば111円を試す形になるとしました。
結果的に、ドルと他の主要国通貨の金利差が拡大し、週末の5月18日(金)には一時111.08円まで買われました。その後は米朝首脳会談の不透明さや、イラン問題からの地政学的リスクからドルが売られ110.76円で引けました。
今週は、引き続き日米金利差拡大の方向にあるものの中東の地政学的リスクの高まり、米朝首脳会談の不透明、米中貿易交渉の不透明さからドル売りもでてくることで、111円水準からは上値重く110円台でのもみあいが想定されます。
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