海外の材料は、新興国の不安を米国政権の安定化で払拭している状況
■GDPマイナス成長で、より自信を深めた東京市場
日本の今年1月~3月期GDP成長率がマイナス6%となり、市場には一旦、負のサプライズが起きかけた。
金融相場から業績相場へと移行が進む東京市場では、GDP成長率の低さは、企業業績の予想を低く見積もらせることにつながり、今後の株式市場にマイナスのインパクトを与える可能性があるからだ。
しかし、株式市場よりも大きく反応したのは、為替だった。
ドル円は、日本のGDPマイナス成長を受けた円売りがドルを押し上げ、ドルは111円へと向かった。このことが、株式市場に安心感を与えた。というのも、結局、円安が日本企業の業績を支える一つの要因であることに変わりはないからだ。
こういう展開となると、GDP成長率が上がれば景気回復を通じて企業業績は好調となり、GDP成長率が低ければ、やはり円安を通じて企業業績に追い風となる、という展開が期待できる。つまり、どちらにしても、東京株式は上昇する、ということだ。
このことに気が付いた投資家は、先週、日本株のポジションを増やしている。
日経平均は23000円越で一度調整したとしても、次の目標値、24124円(今年の高値)をクリアしてくるのは、それほど後では無いだろう。
■新興国リスクと米国政権の再評価
もちろん、リスクが無いわけではない。
海外メディアでは、新興国の債務問題が一気に浮上するリスクについてかなり触れている。
ドル高と米国金利上昇により彼らの実質債務残高が膨れ上がるからだ。
アジア通貨危機やロシア危機が、投資家の頭をよぎるのも無理はない。この手のリスクは、突如、新興国政府の発表などにより、不意打ちに近い形で表面化することが多いからだ。
一方で、法人税減税案可決以来、トランプ政権に対する評価の流れが変わってきている、ということは、実は重要な変化だ。米中の貿易戦争も北朝鮮政策も、ぎりぎりのところまでもっていって、最後は「うまく」妥協する、というトランプ氏のビジネス感覚的手法を評価する動きが大きくなってきている。
もちろん、まだ貿易問題も北朝鮮も問題解消にも結論にも至っていないが、一時の迷走状態から徐々に方向性が固まっている印象は受けることが出来る。
また、イスラエル大使館問題で、米国内のトランプ支持層がより堅固になれば、中間選挙への不安は徐々に薄まっていくものと思われる。
中間選挙で下院が逆転されれば、トランプ氏への疑惑追及が一気に加速する、という展開が容易に考えられるため、トランプ政権は必死であることは間違いない。
海外の材料は、新興国の不安を米国政権の安定化で払拭している状況だと言えるだろう。
■為替市場はまだトレンド変化はしていない
東京市場では、そろそろ自動車、電機精密など為替感応度が高い銘柄を買うべきだろうか。先週は、原油が上昇したこともあってエネルギー関連が大きく動いた以外では、鉄鋼非鉄、自動車、電気精密、といったセクターが、確かに日経平均以上に上昇した。しかし、それでもエネルギー、医薬品、素材といったセクター以上に上昇したわけではない。
それはまだ、ドルは下降トレンドから脱していないからだ。
ドルは、2016年12月の118.29円からずっと高値を切下げている。このトレンドからいえば、ドルはまた113円程度まで上がる余地はあるが、そこをブレイクしなければ、また108円まで下落する可能性は十分にある。
そういった状況から考えれば、為替感応度が高いセクターを買うのはまだ早いだろう。
*為替感応度が低く、3月決算銘柄で材料出尽くし後、下落している銘柄
*5月6月決算の好業績銘柄
*万一に備え、新興国が主戦場ではない銘柄
を中心に銘柄選別をしていきたいところだ。
ミリオンストック投資顧問特別アドバイザー 堀
日本の今年1月~3月期GDP成長率がマイナス6%となり、市場には一旦、負のサプライズが起きかけた。
金融相場から業績相場へと移行が進む東京市場では、GDP成長率の低さは、企業業績の予想を低く見積もらせることにつながり、今後の株式市場にマイナスのインパクトを与える可能性があるからだ。
しかし、株式市場よりも大きく反応したのは、為替だった。
ドル円は、日本のGDPマイナス成長を受けた円売りがドルを押し上げ、ドルは111円へと向かった。このことが、株式市場に安心感を与えた。というのも、結局、円安が日本企業の業績を支える一つの要因であることに変わりはないからだ。
こういう展開となると、GDP成長率が上がれば景気回復を通じて企業業績は好調となり、GDP成長率が低ければ、やはり円安を通じて企業業績に追い風となる、という展開が期待できる。つまり、どちらにしても、東京株式は上昇する、ということだ。
このことに気が付いた投資家は、先週、日本株のポジションを増やしている。
日経平均は23000円越で一度調整したとしても、次の目標値、24124円(今年の高値)をクリアしてくるのは、それほど後では無いだろう。
■新興国リスクと米国政権の再評価
もちろん、リスクが無いわけではない。
海外メディアでは、新興国の債務問題が一気に浮上するリスクについてかなり触れている。
ドル高と米国金利上昇により彼らの実質債務残高が膨れ上がるからだ。
アジア通貨危機やロシア危機が、投資家の頭をよぎるのも無理はない。この手のリスクは、突如、新興国政府の発表などにより、不意打ちに近い形で表面化することが多いからだ。
一方で、法人税減税案可決以来、トランプ政権に対する評価の流れが変わってきている、ということは、実は重要な変化だ。米中の貿易戦争も北朝鮮政策も、ぎりぎりのところまでもっていって、最後は「うまく」妥協する、というトランプ氏のビジネス感覚的手法を評価する動きが大きくなってきている。
もちろん、まだ貿易問題も北朝鮮も問題解消にも結論にも至っていないが、一時の迷走状態から徐々に方向性が固まっている印象は受けることが出来る。
また、イスラエル大使館問題で、米国内のトランプ支持層がより堅固になれば、中間選挙への不安は徐々に薄まっていくものと思われる。
中間選挙で下院が逆転されれば、トランプ氏への疑惑追及が一気に加速する、という展開が容易に考えられるため、トランプ政権は必死であることは間違いない。
海外の材料は、新興国の不安を米国政権の安定化で払拭している状況だと言えるだろう。
■為替市場はまだトレンド変化はしていない
東京市場では、そろそろ自動車、電機精密など為替感応度が高い銘柄を買うべきだろうか。先週は、原油が上昇したこともあってエネルギー関連が大きく動いた以外では、鉄鋼非鉄、自動車、電気精密、といったセクターが、確かに日経平均以上に上昇した。しかし、それでもエネルギー、医薬品、素材といったセクター以上に上昇したわけではない。
それはまだ、ドルは下降トレンドから脱していないからだ。
ドルは、2016年12月の118.29円からずっと高値を切下げている。このトレンドからいえば、ドルはまた113円程度まで上がる余地はあるが、そこをブレイクしなければ、また108円まで下落する可能性は十分にある。
そういった状況から考えれば、為替感応度が高いセクターを買うのはまだ早いだろう。
*為替感応度が低く、3月決算銘柄で材料出尽くし後、下落している銘柄
*5月6月決算の好業績銘柄
*万一に備え、新興国が主戦場ではない銘柄
を中心に銘柄選別をしていきたいところだ。
ミリオンストック投資顧問特別アドバイザー 堀