■今後の見通し
1. 2019年2月期の業績見通し
ソーバル<2186>の2019年2月期の連結業績は、売上高が前期比1.5%増の8,350百万円、営業利益が同6.7%増の625百万円、経常利益が同7.5%増の632百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同0.4%増の427百万円と増収増益基調が続く見通し。
売上高については、キヤノングループ向けの減少が続くものの、前期と同様その他既存顧客の深耕や新規(技術・業種)分野の顧客開拓による売上増でカバーする格好となる。利益面では、PL/PMの育成による受託開発業務の拡大や生産性向上、販管費抑制などが増益要因となる。なお、IoT分野については前期より損失額が縮小するものの、引き続き販促ツールの制作やプロモーション活動による認知度向上に取り組んでいく方針となっており、収益化は2020年2月期以降となる見通しだ。
自動車関連分野の取引強化、大手ITサービス企業との協業継続とIoT案件の育成に注力
2. 主な重点施策
(1)自動車関連分野の取引を強化
同社は多角的かつ安定的な収益構造を構築するため、新規分野として自動車関連分野に注力している。とりわけ、日立グループ向けは自動運転技術を中心に同社の組込み技術が高く評価され受注件数も順調に拡大しており、2019年2月期の売上高も前期比で2倍増が見込まれている。自動運転関連の開発ではAIなど最先端技術を利用した開発環境で行われるため、現在は技術提供案件が中心だが、開発ノウハウの蓄積により今後は受託開発案件の増加が見込まれるほか、新たな取引先の開拓にも注力していく方針となっている。自動運転分野では、トヨタ<7203>やDeNA<2432>との取引もスタートしている。DeNA向けに関しては自動運転を活用したソリューションサービスの開発における上流工程の品質評価を協業して行っている。
(2)大手ITサービス企業との協業継続とIoT案件の育成
同社は受託開発業務の拡大やPL/PM人材の育成を目的に、大手ITサービス企業との協業に継続して取り組んでいく方針だ。具体的には、大手ベンダーの営業力と同社の保有する技術開発力による提案・調整力を融合し、受託開発案件の発掘と獲得に注力すると同時に、開発プロセスの改善や各種開発・管理ツールの活用により更なる採算性向上に取り組んでいく。
協業案件の全体に占める比率はまだ小さいものの、プロジェクト収束後も継続した新プロジェクトの受注獲得に繋がるなど一定の成果が得られており、協業先ベンダーとのコワーク体制を構築できている。また、同社が強みとする品質検査など評価系技術も顧客から高い評価を獲得しており、新規顧客の開拓につながっているようだ。
一方、IoT分野についてはまだ投資段階ではあるものの、相談依頼は急増しており、今後の収益化に向けて取引先との関係構築を進めていく方針となっている。IoTソリューションのプラットフォームとなる「Alliot」については従来、HEMS※等のエネルギー分野でのクラウドサービス展開を進めているが、現在は相談案件ごとのコンサルティングサービスが中心となっている。協業案件としては、ビルの防災対策としてIoTソリューションの提案を協業先と進めている。同ソリューションでは対象となるビルに傾きセンサを取り付け、そのデータを収集、統計解析することで防災に役立てるクラウドサービスとなる。そのほかにも引き合いは旺盛なことから、これら案件の育成に注力し早期の収益化を目指していく
※Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)の略。家庭で使うエネルギーを節約するための管理システムで、家電や電気設備とつないで、電気やガスなどの使用量をモニター画面などで「見える化」したり、家電機器を「自動制御」するシステムを指す。
(3)外部委託を積極活用した収益構造を構築
同社は社員数に依存しない収益構造の構築を目的に、国内外の外部委託先(パートナー企業)との長期的な関係構築に取り組んでいる。一定水準のスキルを持った外部委託先を増やし、それぞれの得意分野・開発レベルに応じて連携を強化していくことになる。外部委託を活用することで、社内の人的リソースをより高付加価値な案件に集中していくことが可能となり、収益の拡大につなげていく戦略だ。現在、外部委託比率は4%程度と低いが、今後は受託開発業務の拡大とともに上昇していくものと予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<MW>
1. 2019年2月期の業績見通し
ソーバル<2186>の2019年2月期の連結業績は、売上高が前期比1.5%増の8,350百万円、営業利益が同6.7%増の625百万円、経常利益が同7.5%増の632百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同0.4%増の427百万円と増収増益基調が続く見通し。
売上高については、キヤノングループ向けの減少が続くものの、前期と同様その他既存顧客の深耕や新規(技術・業種)分野の顧客開拓による売上増でカバーする格好となる。利益面では、PL/PMの育成による受託開発業務の拡大や生産性向上、販管費抑制などが増益要因となる。なお、IoT分野については前期より損失額が縮小するものの、引き続き販促ツールの制作やプロモーション活動による認知度向上に取り組んでいく方針となっており、収益化は2020年2月期以降となる見通しだ。
自動車関連分野の取引強化、大手ITサービス企業との協業継続とIoT案件の育成に注力
2. 主な重点施策
(1)自動車関連分野の取引を強化
同社は多角的かつ安定的な収益構造を構築するため、新規分野として自動車関連分野に注力している。とりわけ、日立グループ向けは自動運転技術を中心に同社の組込み技術が高く評価され受注件数も順調に拡大しており、2019年2月期の売上高も前期比で2倍増が見込まれている。自動運転関連の開発ではAIなど最先端技術を利用した開発環境で行われるため、現在は技術提供案件が中心だが、開発ノウハウの蓄積により今後は受託開発案件の増加が見込まれるほか、新たな取引先の開拓にも注力していく方針となっている。自動運転分野では、トヨタ<7203>やDeNA<2432>との取引もスタートしている。DeNA向けに関しては自動運転を活用したソリューションサービスの開発における上流工程の品質評価を協業して行っている。
(2)大手ITサービス企業との協業継続とIoT案件の育成
同社は受託開発業務の拡大やPL/PM人材の育成を目的に、大手ITサービス企業との協業に継続して取り組んでいく方針だ。具体的には、大手ベンダーの営業力と同社の保有する技術開発力による提案・調整力を融合し、受託開発案件の発掘と獲得に注力すると同時に、開発プロセスの改善や各種開発・管理ツールの活用により更なる採算性向上に取り組んでいく。
協業案件の全体に占める比率はまだ小さいものの、プロジェクト収束後も継続した新プロジェクトの受注獲得に繋がるなど一定の成果が得られており、協業先ベンダーとのコワーク体制を構築できている。また、同社が強みとする品質検査など評価系技術も顧客から高い評価を獲得しており、新規顧客の開拓につながっているようだ。
一方、IoT分野についてはまだ投資段階ではあるものの、相談依頼は急増しており、今後の収益化に向けて取引先との関係構築を進めていく方針となっている。IoTソリューションのプラットフォームとなる「Alliot」については従来、HEMS※等のエネルギー分野でのクラウドサービス展開を進めているが、現在は相談案件ごとのコンサルティングサービスが中心となっている。協業案件としては、ビルの防災対策としてIoTソリューションの提案を協業先と進めている。同ソリューションでは対象となるビルに傾きセンサを取り付け、そのデータを収集、統計解析することで防災に役立てるクラウドサービスとなる。そのほかにも引き合いは旺盛なことから、これら案件の育成に注力し早期の収益化を目指していく
※Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)の略。家庭で使うエネルギーを節約するための管理システムで、家電や電気設備とつないで、電気やガスなどの使用量をモニター画面などで「見える化」したり、家電機器を「自動制御」するシステムを指す。
(3)外部委託を積極活用した収益構造を構築
同社は社員数に依存しない収益構造の構築を目的に、国内外の外部委託先(パートナー企業)との長期的な関係構築に取り組んでいる。一定水準のスキルを持った外部委託先を増やし、それぞれの得意分野・開発レベルに応じて連携を強化していくことになる。外部委託を活用することで、社内の人的リソースをより高付加価値な案件に集中していくことが可能となり、収益の拡大につなげていく戦略だ。現在、外部委託比率は4%程度と低いが、今後は受託開発業務の拡大とともに上昇していくものと予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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