「長期」の期間はどの程度か?
株式投資をする際、非常に重要な項目がいくつかありますが、その中に保有期間があります。もちろん、どの銘柄をいつ買うかも重要ですが、売却することで損益が確定するという観点から、買付よりも売却の方が難しいという意見もあり、売却のタイミングを決める保有期間も非常に重要なのです。では、長期投資の「長期」とは、どの程度の期間を意味するのでしょうか? 1年なのか、それともよく経営者が経営戦略を立てる際に考えると言われる3年~5年なのか、はたまた10年かそれ以上なのか。ここで参考になると考えているのが前回でも名前が登場した、ウォーレン・バフェット氏の「永久保有銘柄」と言われるものです。
ウォーレン・バフェット氏の「永久保有銘柄」
例えば、彼がこれまでに投資した「永久保有銘柄」の中に、皆様にとても馴染みがあると思われる米国の飲料メーカーがあります。彼が会長兼CEOを務めるバークシャー・ハサウェイ社の年次報告書に目を通すと、1988年に初めて同社に投資して以降、一貫して継続保有しており、更に驚くべきことに1994年以降、売買すらしていないことが分かります。同社以外にも30年以上保有しているメディア企業や18年以上保有しているカミソリ・メーカー(買収された後は日用品メーカー)など、売却する意思のない長期で保有している銘柄がいくつかあります。彼は投資した銘柄全てを長期保有しているわけではありませんが、時には「永久保有」と言われる程の長期投資で世界でも有数のお金持ちになったのがウォーレン・バフェット氏なのです。
なぜ『長期投資』が重要なのか?
ではなぜ、長期投資が良いと言われるのでしょう。株価は短期的に需給の影響を受けることがあるため、企業の本当の実力を反映せずに推移することがあり、そのため需給を考慮しながら短期的に株価を当て続けるのは非常に難しいと言えます。また、景気そのものに周期性があり、企業の業績も多かれ少なかれその影響を受けると考えられますので、長期投資することにより、短期的な需給や景気の良し悪しを極力排除し、結果として真に実力のある企業の息の長い成長に参加できると考えられます。
私どもは、上記のような長期投資の有効性を享受するため、ウォーレン・バフェット氏が実践する「永久保有」に値する銘柄かどうかも精査しながら、一つ一つの銘柄への長期投資を実践してまいります。
※ 当コラムは執筆者の見解が含まれている場合があり、スパークス・アセット・マネジメント株式会社の見解と異なることがあります。上記の企業名はあくまでもご参考であり、特定の有価証券等の取引を勧誘しているものではございません。
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