相場展望と今週の注目銘柄はこれだ!

著者:出島 昇
投稿:2016/01/08 17:18

(4218)ニチバン

 四季報2015年冬号によると、中国人観光客に人気の鎮痛消炎剤が出荷倍増の勢い。絆創膏も好調。テープは包装用が値上げ浸透、品目も集約し採算改善。台所用・雑貨用など新製品効果も。ナフサ下落追い風に増益幅拡大。工場減損。17年3月期も絶好調の鎮痛消炎剤が牽引。
福岡や大阪中心だった鎮痛消炎剤人気が秋に東北まで北上。大阪工場は残業による増産対応から、2直2交代制検討。
11月9日決算発表。8月10日の決算発表で2016年3月期予想を上方修正し増収・増益幅拡大。
2012年11月15日の245円を安値にアベノミクス相場にサポートされて上昇トレンド(A)を形成しています。この中で2013年4月24日447円まで上昇後、調整入りとなりましたが、2014年3月20日の332円を1番底、10月16日の354円を2番底にして急角度の上昇トレンド(B)へ移行しました。この上昇トレンドの中で2015年の8月10日に上方修正となって8月20日には711円の年初来高値更新となりました。
 その後、中国の利上げをきっかけに世界同時株安となり、日経平均は急落して大きな上下動を繰り返しました。この株も終値ベースでは550~600円の間の上下動となりましたが、9月8日の552円、9月29日の540円を2点底にしてボックスを上放れし12月8日に650円まで上昇して12月25日の584円まで下げてもみあっています。
 
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(6508)明電舎

 四季報2015年冬号によると、国内電力会社向けの電気設備が好調。自動車用の動力計測器やPHV関連も着実増。海外の鉄道案件の期ずれもこなし営業増益。最高純益。17年3月期も電気設備など社会インフラが牽引。
18年ぶり中間配当再開、増配の公算も。シンガポールに水処理の研究開発センター設立、セラミック平膜を用いた膜濾過事業を強化。中東などでも拡販。
10月30日決算発表。2016年3月期の最高益更新、見通し変わらず。
2012年11月12日の246円を安値にアベノミクス相場にサポートされて、2013年5月21日の414円まで上昇。その後6月7日の296円まで押し目を入れて三角保ち合い(A)となって上放れて短期の上昇トレンド(B)となって2014年4月2日の467円まで上昇しました。ここで三尊天井を形成して上昇トレンド(B)を下に切り2015年1月16日の339円まで下落し、ここからの反発で6月26日の480円まで上昇するものの再下落となり、9月30日に338円まで下げてダブル底の形となりました。ダブル底の形から再上昇となり339~464円のボックスを上にぬけて12月18日には502円と年初来高値を更新しました。上昇している背景には1991年3月期決算での最高利益を出して以来、久しぶりに更新してきたことで今後も期待できるという見方で買われているためです。
 
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(4047)関東電化工業

 四季報2015年冬号によると、基礎化学品の苛性ソーダは前期の値上げ後に価格反落。ただ精密化学品は主力の三フッ化窒素が需給逼迫で値上がり効果大。鉄系のキャリアーの新規案件も寄与。燃油安を追い風に営業増益。17年3月期は競合企業が能力増強し値下がり響く。
中国が推進する電動バスの普及が追い風。リチウムイオン電池向けの六フッ化リン酸リチウムへ引き合い強まる。
11月13日決算発表。2016年3月期予想は増収・増益変わらずだが売上をやや下方修正。
2012年10月10日の112円を安値に11月中旬からのアベノミクス相場にサポートされて、下値をゆるやかに切り上げる上昇トレンド(A)となっていましたが、2014年8月8日の242円を安値に急角度の上昇トレンド(B)へ移行しました。この中で2015年8月18日の決算発表で2016年3月期見通しを大幅上昇修正したことで、8月18日に1098円まで上昇し、ここで材料出尽くしとなって調整入りとなりました。日経平均の急落もあって9月29日に720円まで下落し11月13日の1026円まで上昇したところで戻り高値となって再下落し全値押しの形になりつつあります。
 
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(3401)帝人

 四季報2015年冬号によると、シンガポール撤収と主原料安で電材収益急浮上。航空機向け炭素繊維も原料安。医療は米国在宅厳しいがCPAPや骨粗鬆剤が牽引。営業益増額。17年3月期はリストラ一巡。原燃料次第だが増益一服。
来期設備投資は今期並み440億円前後。償却費上回り債務比率上昇局面に。米国GMとの共同開発は動きなし。米国在宅医療の再建策は今期末にも公表か。
11月2日決算発表。9月中間決算は増収・増益となったものの通期の売上は下方修正。但し、原油価格の低下によって利益は拡大し営業利益と純利益は上方修正。
2012年11月13日の156円を底値にアベノミクス相場がスタートし中長期上昇トレンド(A)の中にあります。この中で2013年5月22日の285円まで上昇後、6月21日の202円まで下落し285円を高値とする、ゆるやかな上昇となっていましたが、2014年5月12日の224円、10月17日の237円を2点底にして急上昇となり2015年6月2日の498円、6月24日の499円とダブル天井をつけました。ここから9月29日の345円まで押し目を入れて反発したところで11月2日の決算を受けて一段高となり、12月2日の449円まで上昇し押し目形成となっています。
 
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(9303)住友倉庫

 四季報2015年冬号によると、主力の物流は国内が伸び悩む。だが海運は北米向け順調。14年秋改装終了のツインビルもフル寄与、営業益小幅増額。受取保証金剥落でも最終増益に。17年3月期は不動産の伸び一服、営業微増益。
開発中の埼玉・戸田駅前SC(16年春開業予定、店舗面積7816平方m)は核店舗にオーケーなど決定。大阪・西区の所有地開発はホテル建設などの計画が浮上。
11月5日決算発表。2016年3月期予想、増収・増益変わらず。
2012年10月11日の319円を安値に11月中旬のアベノミクス相場にサポートされて2013年4月9日の743円まで上昇しました。ここをピークに2014年4月15日の460円まで下落しました。ここを安値に2015年6月8日の730円まで上昇し三角保ち合い(B)へ移行して現在に至っています。この中で2015年11月17日の693円を高値に反落となり三角保ち合いの下値斜線に接近しています。
 
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配信元: みんかぶ株式コラム