ASEAN進出は国策
先週土曜、東京都内で「日本・メコン地域諸国首脳会議」が開かれた。ここでは、「新東京戦略2015」が採択され、日本から3年間で7500億円の支援が表明された。「メコン地域」とは、タイ、ミャンマー、ベトナム、ラオス、カンボジアの5か国のこと。いずれもASEAN参加国であり、特にこれからの成長が期待されている地域だ。
2015年から2020年までの名目GDP成長率は、ASEANで8.2%が見込まれているが、メコン5か国のうち、タイを除く4か国では、それ以上の成長率が予想されている。(ベトナム8.8%、ミャンマー13.1%、ラオス8.8%、カンボジア9.0%、タイ5.5%)一方、中国経済には異変が起きつつあり、楽観的な見通しでも、同じ2015年から5年間の中国の経済成長率は、7.6%とされている。しかし、これは非常に達成が難しい数値となりつつある。
こういった中で、これら、ASEAN、あるいはメコン地域との日本企業の交流は、急速に活発化し、関連企業は投資家から注目を浴びつつある。ASEANは2015年では2兆5294億ドルのGDPがある市場で、ここに向け、日本の企業が積極的に進出をしている。
民間だけでなく、政府もその動きを後押しし、「インフラシステム輸出戦略」などを策定し、日本の技術活用を推進している。そして今回も、「新東京宣言」の中で、その動きを活発化させた。こういった一連の動きにより、ASEAN市場への進出は、国策となっている。
その理由は、いくつもある。
1. この地域が残された数少ない急成長が見込められる地域であること
2. 日本から近く、しかも親日国が多いこと
3. 中国のAIIBとの競合地域となること
4. ASEANの自由貿易圏AFTAが今年成立する目標であり、より安定した経済の活性化が行われる見込みが高いこと
こういったASEANを巡る動きは、そこをマーケットとしてこれまで動いてきた企業たちに、そのゴールを大きく近づけることになる。
ASEANで活躍が見込める企業
実際、これらASEAN諸国でビジネスをするには、各国の民間企業との付き合いだけではなく、行政、そして旧宗主国との付き合いも理解しなくてはならない。こういった複雑な関係の中で、年月を費やしてきた企業に、いま、収益チャンスが巡ってきたわけだ。
これまでも、この地域の安価な労働力を活かして進出してきた企業は多い。しかし、今後は、この地域を「市場とする」ことにより大きなメリットが出てくる。
製造拠点として現地での知名度を上げてきた企業が、そのままその地域を市場とすることも、当然アリで、そのほうが本来、進出としてはやりやすい。ただし、そのような企業には、やはり大企業が多い。また、中国市場を主力としている企業は、今後のリスクの高まりもあり、今年は除外したい。
そこで、ここでは中型・小型銘柄を含めた3銘柄を紹介しておこう。
どれも、テクニカルチャートを見て、買うチャンスを見逃さないようにしたい銘柄だ。現在の世界情勢を見ると、どうみても、ASEAN関連銘柄は今後、何度も相場になるに違いない。
ASEAN関連注目銘柄
1. 日本マニュファクチャリングサービス
製造業の派遣請負企業。基本的にアジア地域での実績が大きい。
2. 太陽ホールディングス
レジストインキの世界的な大手企業
3. 日建工学
津波対策の消波ブロック大手
株価:7月3日現在
営業増益率:四季報より今期予想増益率
ROE:四季報より今期予想
http://jst-trade.jp/show_page.html/view/lp02/mediaCode/min2
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