このところやや全体相場はもたもたしています。しかし、その中でも相変わらず物色意欲自体は旺盛で、新高値を更新する銘柄が相次いでいます。そんな新高値銘柄の一群に内需関連があります。内需関連は消費税増税以降業態間、企業間で格差が大きく表れています。この背景にあるのは、消費者の生活防衛意識だと思われます。
しかし、現状はそれだけではありません。つまり、生活防衛は意識しますが、失われた20年のようにやみくもに節約するだけではなく、どこで消費するか、何に消費するかを吟味するようになっています。
たとえば、消費税増税前には比較的好調だったコンビニエンスが、消費税増税以降、不調が続いています。これはコンビニは便利だけれども高いというイメージが邪魔をしているのでしょう。ただし、それでもセブン・イレブンは相対的には引き続き好調です。もっともあくまで相対的な好調にとどまります。
株価面で見ますと、これが如実に表れていまして、直近の月次で明暗が分かれています。月次が低迷していますと、株価もなかなか評価されませんが、月次が好調なところはやはり株価も好調です。
かつての安売り外食は相変わらず不調です。マクドナルド、牛丼各社、王将などはなかなか浮上してきません。そのため、株価も今一つな一方で、月次が浮上し始めたサイゼリア(7581)の株価は順調です。
デパ地下の惣菜でも柿安本店(2294)は不調ですが、ロック・フィールド(2910)は好調ですので、株価にもはっきりとそれが表れています。
そんな中、月次好調で買われている株の典型が食品スーパーのヤオコー(8279)ではないでしょうか。同社の5月の既存店は8.8%増でした。多くの人は、去年が消費税増税の反動で落ち込んだから、その反動ではないかと思うかもしれません。しかし、去年5月の同社の既存店は6.1%増でした。しかも消費税増税直後の4月でさえ1.5%のプラスだったのです。
この既存店の伸び率は驚異的ですらあります。同社はいまだにたかが地方スーパーと思われていますので、常に割安な評価にとどまっています。しかし、同社の強さの背景には、加工食品卸売業を中心とする我が国の食品流通構造が、地域密着型の食品スーパーに最適だということがあります。さらに、その中で独自のマーチャンダイジングに優れた同社が圧勝しているのですが、このことはあまり世の中には理解されていません。同社以外にも地方スーパーで高成長を遂げながらも低評価な企業が多くあります。もちろん、企業間格差が大きく、ダメな会社はいくらたってもだめです。
ヤオコーを中心になぜ我が国では地域スーパーが優位なのか、またヤオコー以外にどんなスーパーが有望なのか、詳細はこちらのレポートで解説しました。
http://cherry100.mods.jp/ra/s/864
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