3月3日付日経紙に「上がり始めたPER」という記事がありました。日経紙によると、
この10年ほどの日本の株式市場では、PERがあまり変化せず、EPSの変化分が株価に織り込まれて、相場全体が上昇、下落した。PERが上がるということは将来への期待であるが、これまでは日本の企業の将来にマーケットはあまり期待していなかったということになる。しかし、このところの相場は明らかに将来への期待を織り込み、PERが上がり始めている。これは日本企業が収益や株主を強く意識し始めたことが背景にある。
というような内容の記事です。
もっとも、日経紙では企業の変化は始まったばかりで、PERが本当に拡大期に入るか慎重な見極めが必要だ。といつもながら、お茶を濁す言葉で締めくくっているのですが。
この企業のスタンスの変化は、バブル崩壊後の20数年間で徐々に進んできたことです。かつて銀行が護送船団方式で守られていた時代には、企業を簡単につぶすことがなかったため、存続意義のない企業も無駄に存続していました。しかし、今やダメ企業は簡単につぶれる時代になってきました。都銀もすでにこの間に数分の1になり、総合スーパーでも今や2-3社しか残っていません。いわば、かつてのぬるま湯時代から厳寒の時代に入り、企業自体が強くならざるを得なくなったということです。
この20数年間で社内人材もほぼ入れ替わり、企業自体が筋肉体質になり、一方でダメ会社はどんどん淘汰されたことから、グローバルに比較してもまともな企業が増えてきたということになります。
このような時代の株式市場では、将来期待で平均PERは上昇するのですが、一方でPERのばらつきは大きくなり、期待感の高い企業のPERは高くなりますが、ダメ会社のPERは低いままということです。
ダメ会社は安いまま。いい会社は高い。高いところについて行くか、株式投資をやめるか?というような選択が必要になるということでしょう。もっとも、下手な人はバリュエーションが低いダメ会社ばかり持って、こんな相場でも大して儲かっていないということは往々にしてあります。
今回はホシザキ電機(6465)を紹介します。同社は我が国の業務用冷蔵庫のトップメーカーです。業務用冷蔵庫は成熟市場にもかかわらず、同社は長期にわたってコンスタントな売上増と利益増かつ高収益を達成しています。この背景は単なるハードメーカーではなく、ソフト面からの顧客サポート体制が充実し、競合他社を圧倒していることによるものです。
おそらく、コストの低い海外企業と我が国メーカーが対抗し、高収益を上げるためには、同社のような顧客のかゆいところに手が届くサポート体制が力を発揮するものと考えられます。
より詳細はこちらのレポートをご覧ください。
http://cherry100.mods.jp/ra/s/830
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