<円安進行止まらず、輸出関連の主力株が買われ、16000円目前へ>
先週の予測では、地政学的リスクの後退と円安基調で底堅い動きが想定されるものの、メジャーSQを週末に控え、材料次第では先物主導で上下に振れる可能性があるとしました。8日(月)に4~6月期GDP改定値が▼6.8%から▼7.1%へ下方修正されたことで、消費増税後の景気の足踏み状態から上値は重いとしました。
結果的には、GDPの下方修正が株式市場にとってプラスに作用しました。国内のGDPの下方修正から円安、逆にアメリカでは経済指標の改善を受けて16日からのFOMCでの利上げ観測からドル買いとなったことで、6年ぶりの円安となりました。これを受けて輸出関連の主力株が買われ上値を試す展開となりました。週半ばの10日(水)までは、15800円からの上値の重さを感じさせる動きでしたが、11日(木)には1ドル=107円に接近する円安加速となり、翌日のメジャーSQを控え、先物主導で大幅高となって△120の15909円と15900円台を回復しました。この日は、安倍首相と黒田日銀総裁の会談もあり、追加の緩和期待が相場を後押ししました。週末の12日(金)は利益確定売りから▼24の15885円と売り先行となるものの、円安が1ドル=107円台まで加速したことで切り返し、15984円と16000円まであと一歩と迫り、終値は△39の15948円で引けました。
12日(金)の日本市場の引け後のアメリカ市場では、8月小売売上高、ミシガン大学消費者信頼感指数が共に予想を上回ったことで、16~17日のFOMCで早期の利上げ観測から債券利回りの上昇に伴うドル買いで1ドル=107.38円までの円安進行となり、株は売られてNYダウは▼61の16987ドルで引けました。シカゴ日経先物は▼50の15830円となっていました。
先週はドル高・円安の流れが加速し、10日(水)はトピックスが1月8日の年初来高値1306Pを8ヶ月ぶりに更新し、11日(木)には日経平均も8ヶ月ぶりに15900円台を回復し、売買代金も2兆円の大台を突破しました。週半ばまでは15800円のフシで上値の重たさを感じさせていましたが、為替の一段安で16000円をうかがう動きとなりました。
<今週は、16~17日のFOMCの金融政策指針に注目>
先週までの日経平均の上昇は、アメリカでの早期利上げ観測からのドル高に対して、国内の4~6月期GDPの下方修正を受けた日銀の追加金融緩和期待が背景となっています。日米の金融政策の方向の違いから日米金利差拡大で急激な円安進行となり、リーマンショック直後の2008年9月25日以来約6年ぶりの1ドル=107円台回復となりました。ただ、昨年の「円安・株高」の動きは外国人主導による商いを伴った上昇で、昨年の12月30日の16320円をつけたときの為替は1ドル=105.4円水準でしたが、今回は為替が107円台になったにもかかわらず、16000円水準がやっとの上昇となっています。これは外国人買いがアベノミクスへの期待が薄らいでいることで増加しておらず、国内の年金資金や日銀のETF買いで支えられているためです。さすがに、ここまでの急激な円安を受けて主力の輸出関連株が買われて日経平均が上昇してきましたが、全面高というような活発な動きにはなっていません。このまま昨年来の高値16320円を試すことになるかどうかは、外国人買いが復活してくるかどうかにかかっています。9月の第1週は、7月第1週以来2ヶ月ぶりの大幅買い越しとなっていますが、これが持続するかどうか注目となります。この外国人買いの持続も16~17日のFOMCの金融政策の方針にかかっており、その結果がわかるまでは様子見となるところです。
日本市場が休場の昨日15日(月)のアメリカ市場は、NY連銀製造業景気指数は2009年10月以来の高水準となったものの、8月の鉱工業生産は予想外のマイナスとなったことでNYダウは△43の17031ドル、ナスダックは▼48の4518Pとまちまちの動きとなりました。シカゴ先物は15840円でした。
本日16日(火)の日経平均は、為替も一服しており、先週まで5日続伸の後だけに利益確定売り優勢となって▼36の15911円で引けました。下げても下値は限定的で、目先は15700~16100円の間での動きが想定されます。
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(指標)日経平均
先週の予測では、週末にメジャーSQを控えて先物主導の動きが想定され、円安基調が続けば上値を試すことが想定されるとしました。
結局、日米金利差拡大期待からドル高・円安の流れが加速し、日経平均は5日続伸となって週末の12日(金)はザラ場15984円と16000円にあと僅かに迫り、△39の15948円で引けました。
今回の日経平均の上昇は、アメリカでの早期利上げ観測から債券利回りが上昇してドルが買われ、日本のGDPの下方修正からの円売りによって日米金利差拡大期待から6年ぶりの107円台の円安進行となったことにあります。そのため、16~17日のアメリカのFOMCで早期の利上げ観測が高まれば、円安が更に進んで輸出の主力株が買われ、1月につけた年初来高値16121円を試す場面も想定されます。ゼロ金利政策の長期化見通しとなれば、いったんドルの買い戻しから円高へ振れて上昇一服ということも考えられます。
3連休明けの16日(火)は、アメリカ株式はまちまちの動きとなり、又先週まで5日続伸となっていたことで利益確定売り優勢となり、FOMCを控えていることで様子見気分も強く▼36の15911円で引けました。
(指標)NYダウ
先週の予測では、12日(金)の8月小売売上高や9月ミシガン大学消費者信頼感指数が注目となり、予想を上回れば高値更新も考えられるとしました。
結果的には、週明けのアメリカ市場は手掛かり材料に欠け、原油価格が下落したことでエネルギー株が売られて反落し、9日(火)には利上げ観測や銀行規制強化など不透明要因が重なって▼97の17013ドルと続落しました。10日(水)は反発するものの、11日(木)は▼19の17057ドルと反落し、週末の12日(金)は8月小売売上高と9月ミシガン大学消費者信頼感指数が予想を上回ったものの株価の上昇とならず、FOMCでの早期利上げを警戒する動きとなって▼61の16987ドルとなりました。
今週は、16~17日のFOMCで次回の10月会合でQE3が終了の予定であることから、今回利上げ開始の時期にどう言及するのか最大の注目となります。すでに先週は、早期利上げ観測の思惑から株式が売られてきており、結果次第では大きく上下に動く可能性があります。又、18日(木)の英スコットランド独立を問う住民投票も不透明要因であり、賛成が上回れば市場に同様が広がることもあり得ます。
週明け15日(月)は、経済指標が強弱入り混じって方向感のない動きとなり、NYダウは△43の17031ドルと反発するものの、ナスダックは▼48の4518Pと大幅下落となりました。
(指標)ドル/円
先週は、ドル買い・円売り材料多く、5年11ヶ月ぶりの106円台の円安となりました。16~17日のFOMCの金利引き上げに対するスタンスを見極めたいとして、様子見となることを想定しました。
結果的には、ドルの急騰が止まらず107円台のドル高・円安となりました。まず、日本のGDPが下方修正されたことで日銀の追加緩和期待が高まって円売り材料、一方でアメリカの経済指標の改善から利上げ観測が高まって国債利回りが上昇してドル買いとなり、結果的に日米金利差拡大期待から12日(金)には107.4円台の円安となりました。
今週は、16~17日のFOMCで金融政策当局が利上げ開始の時期にどう言及するか注目となります。先週までFRBによる早期利上げ観測を織り込む形で円安・ドル高が進行していますが、FOMCで利上げ時期が早まるとの見方が裏付けられれば、更にドル高・円安が続くことになり、一方でゼロ金利政策の長期化の見方が高まれば、ドルの買い戻しから円高に振れることになります。106~108円のレンジを想定。
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