RIZAPーG Research Memo(8):今期予想は順調に達成される見通し

配信元:フィスコ
投稿:2018/04/02 17:33
■今後の見通し

1. 2018年3月期通期見通し
2018年3月期通期についてRIZAPグループ<2928>は、売上収益150,202百万円(前期比57.6%増)、営業利益13,010百万円(同27.4%増)、税引前利益11,983百万円(同24.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益8,007百万円(同4.3%増)と増収増益を予想している。これらの数値は期初予想から変更はない。

今通期の営業利益予想の実現には、第4四半期単独期間で約50億円の利益が必要となる。この点について弊社では、第3四半期までの実績や足元の業況、あるいは収益の季節性といったものに照らすと、達成される可能性は高いとみている。

四半期(3ヶ月間)で50億円の営業利益という水準は、直近の各四半期の実績を見ると高いハードルに見える。しかしながら、同社の子会社群には、収益の季節性によって第4四半期に大きく業績が拡大する企業が複数存在している。代表的な企業はマルコやぱど<4833>がある。また、RIZAP GOLFやRIZAP ENGLISHは収益が急速に改善しつつあり、第4四半期には営業損失が大きく改善することが期待される。こうした効果によって、第4四半期において50億円の営業利益を獲得することは充分可能だと弊社ではみている。

先行投資が第4四半期の利益を圧迫する可能性については弊社では懸念していない。前述のように、同社が先行投資を行う際には、足元の業績を見ながら余裕度の枠内でその規模が決定されることが多い。すなわち、先行投資が完全なコントロール下で行われているということだ。第4四半期において、グロスの営業利益は50億円を上回ってくると弊社では考えているが、その超過度合いや先行投資に対する期待リターンなどの様々な要素を考慮しながら、業績予想の達成を最重要視して先行投資の規模が決定されるとみている。

2. 2019年3月期の考え方
ワンダーの子会社により、2019年3月期も大幅増収が続く見込みだ。両社の2017年度の売上高見通し額を合算すると2,200億円を大きく超える。来期はここにオーガニックグロースの分が加わるため、2,500億円が目安となってくると弊社ではみている。

利益面ではM&Aの効果に加えて、先行投資の額をどう見るかで予想される利益の水準が変わってくる。基本的には、2018年3月期同様、RIZAPグループ<2928>が先行投資などの経費をコントロールする中で利益が形作られてくるとみられる。利益水準をイメージするうえでの1つのアプローチとして、営業利益率がある。2018年3月期の予想営業利益率は8.7%だ。『COMMIT2020』の最終年度の業績計画の営業利益率は11.7%であるため、そこに至る途中経過として、2019年3月期は営業利益率10%が1つの目安として浮かび上がってくると弊社ではみている。

仮に来期の売上高が2,500億円、営業利益250億円(営業利益率10%)となった場合、『COMMIT2020』の上方修正あるいは前倒し達成の可能性や、『COMMIT2020』の先の業績水準が意識されてくる可能性もあるだろう。

■株主還元

RIZAPグループ<2928>は株主還元を重要な経営課題の1つとして位置づけ、配当による利益還元を基本としながらも、株主優待制度も併設して、個人株主を中心に、還元強化を図っている。その姿勢や方針にぶれはない。配当額については、同社は2017年3月期から、配当の目安を連結配当性向20%と改定した。

同社は2017年10月1日付で1株につき2株の割合で株式分割を実施した。株式分割後のベースでは、今通期の予想1株当たり当期利益は31.42円となり、その20%に相当する6.29円の配当予想を公表している。これらの数値は第3四半期決算を発表後も従来予想から変更はない。

株主優待制度の内容は、年度末(3月31日)の株主名簿記載の株主に対し、保有株数に応じてRIZAPグループ商品を選択できるというものだ。今期は魅力度向上に向けて2つの改善を実施した。1つは、選択商品数の拡充だ。同社はM&Aによってグループ企業数が拡大している。これを反映して株主優待の選択商品数は2017年3月期末において157商品となったが、2018年3月期末の株主優待では300商品超とする計画を公表済みだ。もう1つは大口保有者に対する優待額の増大だ。従来は2,000株の保有で頭打ちとなっていたが、今回新たに4,000株以上と8,000株以上の保有株主に対して、それぞれ72,000円相当グループ商品と144,000円相当グループ商品を贈呈する“プレミアムクラス”を新設した。

■情報セキュリティ

RIZAPグループ<2928>はBtoCの企業として不特定多数の個人を顧客にしているほか、RIZAP会員数も約10万人にまで拡大している。こうした状況を踏まえ、同社は情報セキュリティには高い意識を持って臨んでいる。具体的対応としては、情報セキュリティのための専門部署を設置済みであるほか、セキュリティ向上のためのシステム投資も随時行っている。また、外部有識者や第三者機関からの評価・意見等も取り入れ、継続的に改善を図るよう努めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

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配信元: フィスコ

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