超目先の達成感が出やすい水準で

著者:斉藤紀彦
投稿:2018/02/20 16:37

あえて買うのであれば

けさは安くは始まりましたが、ドル円相場の落ち着きもあって、日経平均は先物夜間取引の終値21950円を大きく上回る22054円から始まりました。

しかしその後はさえない米国株時間外取引を横目に、利益確定売りや戻り待ちの売りに押されて前引けにかけては下げ幅を広げる展開でした。

後場は市場参加者が少ないなか、日銀のETF買い期待を支えに下げ幅を縮小する場面もありましたが、大引けにかけては失速しました。

東証1部の売買代金は2兆2390億円と連日で今年最低を更新し、昨年12月29日以来の低水準でした。

売買高も12億3682万株と連日で今年最低を更新しました。

騰落銘柄数は値上がり1027銘柄、値下がり949銘柄、日経225採用銘柄では値上がり65銘柄、値下がり154銘柄となっており、東証1部全体では値上がり銘柄数の方が多くなっていますが、裁定解消売りの影響で日経225採用銘柄はさえず、ファ-ストリテが約36円、ファナックが約26円、東京エレクが約15円など、日経平均を押し下げています。

個人投資家の資金流入で、日経ジャスダック平均、東証マザーズ指数はともに4日続伸しました。

テクニカル指標はおおかた中立圏まで戻しているなか、騰落レシオ6日は148.08まで上昇し、逆に短期的な過熱感を示唆し始めました。

日経平均はきのう心理的なフシ目の22000円を回復し、1月23日の高値24129円から2月14日の安値20950円まで下げた分の3分の1戻しである22010円も上回りましたが、一日で21000円台に押し返されました。

またきのうの高値22152円はフィボナッチ係数の38.2%戻しの22164円にも接近しましたので、やはり目先の達成感は出やすい水準です。

急速に戻したわけですから、下で買った部分は利益確定売りを段階的に進めるところだと思います。

下がるなら買いたいイメージは基本的には変わっていませんが、いまあえて買うなら東証1部に連れ安した好業績の中小型株くらいかもしれません。

日経平均が大きく下落する展開にならなければ、中小型株には資金流入は続きやすいと思います。
斉藤紀彦
ザイナスパートナー株式会社 代表取締役社長
配信元: 達人の予想