上がるのであればやはり

著者:斉藤紀彦
投稿:2018/01/15 16:23

利益確定売りを進める方がいいと思います

高く始まったものの、朝方につけた日経平均の高値23833円を抜けることはなく、その後は4か月ぶりとなる110円半ばへの円高ドル安が重しとなり、今晩の米国株市場が休場ということもあって見送りムードから上げ幅を縮小する展開となりました。

けっきょくきょうも5日線(今日現在:23743円)を下回って終わっています。

ソフトバンク(9984)が約32円、ファナック(6954)が約10円、日経平均を押し上げていますが、実質的にはほぼ変わらずの水準でした。

東証1部の売買代金は2兆4901億円、騰落銘柄数は値上がり1162銘柄、値下がり812銘柄、日経225採用銘柄では値上がり115銘柄、値下がり103銘柄となっています。

日経ジャスダック平均株価は8日続伸し、27年半ぶりに過去最高値を更新しました。

東証マザーズ指数も続伸し、昨年来高値を更新して約11年4か月ぶりの高値となっています。

テクニカル指標はまだ高止まりしているものが多く、短期的な過熱感は払しょくされてはいません。

週明けから押し目があれば買い下がるくらいのイメージでいましたが、金曜日の先物夜間取引までしか安いところがありませんでしたので、上がるのであればやはり利益確定売りを進める方がいいかもしれません。

ドル円の円高も気になるところですが、12月の日銀短観によると大企業・製造業の17年度の想定為替レートは110円18銭、下期では109円66銭となっていますので、

これに近づくようですと業績の下方修正懸念が出てきます。

そこまでの円高要因はないかもしれませんが、例年1月は月末に向けて円高に振れやすいというアノマリーもあるだけに、油断はできないところです。

新興市場も過熱気味になってきていますが、上昇が止まり始めると一気に利益確定売りから下げに転じやすいだけに、大型株、中小型株ともに目先は利益確定売りを進めながら押し目を待つ方が良さそうです。

あえていま買うのであれば、中小型の出遅れ銘柄くらいだと思います。

新興市場は現在、勢いがつき過ぎている銘柄と、好業績期待がありながら完全に出遅れている銘柄に分かれていますが、四半期決算発表が近づいてくると、出遅れ銘柄にも見直し買いが入りやすいと思います。
斉藤紀彦
ザイナスパートナー株式会社 代表取締役社長
配信元: 達人の予想