明日の相場~上値メドがないことが買い方にとって有利に

著者:斉藤紀彦
投稿:2017/10/16 16:47

それでもスピード調整は近いと考えます

日経平均は10時前までに勢いよく上昇しましたが、ドル円がジワジワと円高に振れていることや、短期的な過熱感が意識されて、その後は徐々に上げ幅を縮小しました。

日経平均のサイコロジカルラインは91.7%まで上昇しましたが、もはやテクニカル指標の過熱感は無視して踏み上げ相場が継続している感じです。

世界的な株価の上昇で、含み益が大きくなった海外投資家の余剰資金が流入しているということは十分にあり得るのですが、これまで日本株がやや手控えられていた要因である北朝鮮リスクは何も解決していないだけに、有事の際にはかんたんにポジションを売りにひっくり返す可能性があります。

しかし現在は踏み上げ相場の勢いが続いていますので、上昇で稼げるうちはとことん行っておこうというスタンスなのだと思います。

約21年ぶりの高値更新ということで、明確な上値のメドが見当たらないことも、ココまで来たら売りに行こうという目安がないので、買い方にとっては有利に働いているかもしれません。

ただあえて言うなら、日経平均採用銘柄が大幅に入れ替えられる前につけた日経平均と現在のものを単純に比較はできないと思います。

いずれにしても、米国株の上昇が止まるとか、ドル円が大幅に円高に振れるとか、北朝鮮が暴挙に出るとか、何かしらのきっかけが無いと、まだ買い方のペースが続きやすいものの、上昇が止まったときには下落幅はある程度大きくなると思います。

相場の過熱感が根底にあり、下落リスクがある以上、この水準で買うのは危険だと思います。
保有株は売却を進めていくのが得策だと思いますし、新規売りができる投資家は段階的に売り上がっていくスタンスでもいいと思います。

ただ、踏み上げ相場の最終局面は意外高が続くこともありますので、最後の天井をつけるところで買い戻しを迫られないよう、余裕を持って売り上がることが重要だと思います。
斉藤紀彦
ザイナスパートナー株式会社 代表取締役社長
配信元: 達人の予想